日本には様々な資格・試験が存在します。
その中でユニークかつ実用的と話題になっているものの一つに「こと検(ことわざ検定)」があるのはご存知でしょうか?
こちらは、ことわざに慣用句、四字熟語などを通して「言葉の業」を身に着けると言う趣旨のものになります。
SNSの時代となり日本語の使われ方が微妙に感じられる現代社会だからこそ、この「こと検(ことわざ検定)」が注目されているのです。
知らないと恥をかく、日本人のたしなみとして当然…。
ここではそんな「こと検(ことわざ検定)」についてご紹介いたします。
こと検(ことわざ検定)とは?
「こと検(ことわざ検定)」とは、財団法人ことわざ能力検定協会が実施する検定試験になります。
日本の伝統的な言語文化となる、「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」などを深く学び、その知識及び技術の水準を客観的に量るための日本唯一の検定試験となります。
こと検は、2011年から実施が始まりました。
今では、毎年2回程度主要都市を中心に開催されています。
また、こと検は全国の大学や短大およそ150校での入学試験で、出願及び判定時の評価(一部試験免除や加点なども含む)としても活用されているのです。
こと検の目的
前述のように、こと検は「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」などを学び、その水準を客観的に量るための検定試験です。
これらを上手に使いこなし、また時には新たな創造をする「言葉の業」を身に着けることを目的としています。
この学びにより、日本語を中心とした総合力強化を図り、一般社会はもちろん国際社会でも活躍できる人づくりを目指しています。
等級
こと検における等級は、「1級(準1級)、2級(準2級)、3級(準3級)・・・・9級(準9級)、10級(準10級)」と分かれています。
その全ての級では、5つの基本カテゴリー(読む、書く、意味を知る、使う、発想する)を通して「語彙力」「文章力」「表現力」「読解力」「コミュニケーション能力」を測定、総合的な力量(理解力や応用力)を判定します。
また、特徴的なのが創作設問で、与えられたテーマに沿う独自の創作ことわざがすべての等級で出題されます。
理解力や応用力が乏しくなったとささやかれる日本教育では、非常に有効的な出題と考えられています。
ことわざ検定受検のメリット
では、そんなこと検を受験するメリットは一体なんなのでしょうか。
もちろん、日本語力が身につくことは言うまでもありませんが、それ以外にも次のことが考えられます。
大学の入試評価対象資格である
こちらは前述しましたが、公立大学や有名私立大学の入試評価対象資格となっていることは、大きなメリットと言えるでしょう。
その数は全国で150校程度、学部学科で数えれば350以上になります。
東京6大学の「早稲田大学」や「明治大学」、また関西の雄「関西大学」などの有名大学でも既に実施されています。
21世紀型スキルが身に着けられる
これまでの、暗記する教育では知識は身についても知恵が追い付かず、教育方法が変革を迎えています。
具体的には「21世紀型スキル」と呼ばれる「課題解決に必要とされる思考力や判断力そして表現力」「主体的に取り組む姿勢」の2大要素が求められていくのです。
ことわざと言う、極めて少ない情報量の中でその意味を探り理解することは、この「21世紀型スキル」に非常に効果的なんです。
ことわざマスターや言語文化スペシャリストなどの称号が得られる認定制度
2011年スタートと歴史は浅いこと検ですが、検定としての認知はすでに立証されています。
ただ単に「こと検1級です」とするだけでも十分な肩書となりますが、それ以上となる「言語文化スペシャリスト」などの段位認定が受けられるのも魅力なんです。
これにより、自身をより高みへと導いてくれますね。
【段位例】
- 言語文化スペシャリスト
- ことわざグランドマスター
- ことわざマスター、ことわざスペシャリスト
などなど、上から段位としては高くなります。他にもジュニアやキッズなどもあります。
その他
メリットを上げるときりがありませんが、他にも
- ことわざを知ることで、人として大きく柔らかくなり寛容な心が育まれる。
- ことわざと言う共通言語を知ることで、祖父母から孫世代まで「世代間交流」が円滑に行える。
などは、比較的実感しやすいメリットと思われます。
直近のことわざ検定試験日程
それでは、直近に行われる「こと検」の試験日程をご紹介します。
※実施級のうち、正級と準級の併願受験は可能です。
※開始時間は会場により異なる場合があります。事前にご確認ください。
※会場により時計が設置されていない場合もあります。腕時計などはお持ちください。
また、それぞれの試験のレベルや受験料は次になります。


これら以外の点やお申し込みは、直接「財団法人ことわざ能力検定協会」へお問い合わせください。
創作ことわざ大賞
「こと検」の試験で必ず出題される「創作ことわざ」、その回答全てを対象にして「創作ことわざ大賞」が選出されます。
こちらは、財団法人ことわざ能力検定協会内において厳正に審査され選ばれます。
選出された優秀作品は、ホームページへの掲載はもちろん、現代用語検定協会監修の冊子「自己表現力コンクール作品集 じ・ぶ・ん表現」(パテント社)にも掲載されます。また、「ことわざ・慣用句の百科事典」でも毎年度掲載させていただきます。
その秀逸なことわざは新しいことわざとして、未来へと遺されていくのですね。
また、制作者には表彰状が授与されるようです。これは、該当者の受験の合否は関係ありませんので、より秀逸な作品が誕生しそうですね。
まとめ(最後に)
今回、こと検(ことわざ検定)についてご紹介しました。
まだ、比較的歴史の浅い検定ですが、実に有効的なものだと思います。
資格としての活用もそうですが、社会に出た場合に「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」などの知識の有無は、その人の知的レベルで随分と印象を変えてしまいます。
また、日本語が乱れつつある現代だからこそ、ことわざ検定の必要性は高くなると思いますね。
もちろん、世代を超えたコミュニケーションにも最大の武器になることは間違いありません。
直近の試験は3月です。もし興味があれば、腕試しをしてみては如何でしょう?