【言葉】
慈しむ
「愛しむ」とも書く。
【読み方】
いつくしむ
【意味】
愛情を注いでかわいがる。大切に思い、かばい守る。愛する。
【語源・由来】
動詞「いつ(傳)く」から。
【類義語】
・かわいがる
・いとおしむ
【対義語】
・憎む
「慈しむ」の使い方
神様は人を慈しんでいるんだって。
これだけ人間がわるさをしていても絶滅させないってことは、相当慈悲深いわよね。
でも、死後、人間を全員地獄送りにするかもしれないよね。
最後の最後で罰をあたえるの?それはえぐいわね。
「慈しむ」の例文
- 先生が生徒や園児を慈しむことは当たり前のことだと思っていた。
- 勉強だけでなく、生き物を慈しむ心を育む教育を大事にする。
- 民を慈しむことができる政治家が少ない。
- 私はどこか遠いところに行ってしまう。しかしそう思っても、東京の街を慈しむ気持ちにはどうしてもなれなかった。私はどこか遠いところに行ってしまう。(村上春樹 1Q84 BOOK2)
- フハイダラクしている故に、妹を誇りやかに思う慈しみが一層強かった。(坂口安吾 左近の怒り)
「慈しむ」と「愛する」の違いは?
「慈しむ」に似ている語に「愛する」があります。
「愛する」とは、
①愛情を注いで大切にする。いつくしむ。
②心を強く引き付けられ恋しく思う。恋い慕う。
③ある物事を強く好み、親しむ。また、価値を認め、大切に思う。
④適度にあいらう。あやす。
⑤愛撫する。
という意味です。
「慈しむ」も「愛する」も、愛情をもって大切にすることをいいます。
しかし「慈しむ」は、主に、弱いものを愛し守り大切にすることをいいます。
対して「愛する」は、「かけがえのないものを大切にすること。恋愛の対象として相手を慕うこと。」という意味で使われます。