【言葉】
臍繰り
【読み方】
へそくり
【意味】
主婦などが他人に知られないように少しずつためた金。
【語源・由来】
綜麻 (へそ)は、績うんだ麻糸を環状に幾重にも巻きつけたもののこと。「臍繰り」は、綜麻を繰ってためた金の意で、人間の「臍(へそ)」と混同して「臍」の字を当てたもの。
【類義語】
・臍繰り金
「臍繰り」の使い方
お祭り用にお小遣いをもらってきたの?
そうなんだ。おばあちゃんが臍繰りから出してくれたんだよ。
良いおばあちゃんね。
大人になったら百倍にして恩返しするよ。
「臍繰り」の例文
- おたき婆あは兄の子供にのこされた多少の貯財のほかに、それより多額の臍繰りをたくはへてゐた。(坂口安吾 老嫗面)
- 臍繰りの5000円から投資を始める。
- 妙子さんが臍繰りを作っていたこと、その隠し場所を私に見せたこと、そしてもちろん、その金を貸してくれたことに。(米澤穂信 満願)
- 離婚時には臍繰りも半分にする義務があるという。
- フリマアプリで不用品を売り臍繰りにする。
「臍繰り」と「貯金」の違いは?
「臍繰り」に似ている語に「貯金(ちょきん)」があります。
「貯金」とは、
①金銭をためること。また、その金。
②(比喩的に)野球などのリーグ戦で、勝った数が負けた数を上回っているときの、その差。
③銀行などの金融機関に金銭を預けること。
という意味です。
「臍繰り」も「貯金」も、お金を貯めることをいいますが、「臍繰り」には、他人に知られないようにという意味がある点が違います。
また「貯金」には、預金という意味があり、銀行などの金融機関に金銭を預けることをいいます。