【言葉】
言い得て妙
【読み方】
いいえてみょう
【意味】
実にうまく言い当てているさま。
「妙」は、奇妙なことの意。不思議なことの意にとって使うのは誤り。
【語源・由来】
「言い得て」は、言い当てるということで、物事の芯を正確にとらえるという意。
「妙」は、きわめてすぐれていること。
【類義語】
・レトリック
「言い得て妙」の使い方
健太くんの散らかり放題の部屋から一冊のノートを探し出すのは宝さがしね。
宝さがしとは言い得て妙だね。自分の部屋なのに、どこにノートがあるのか見当がつかず、見つかる気がしないよ。
言い得て妙じゃないわよ。普段からちゃんと片付けていれば、こんなことにならなかったのに。
以後気を付けるよ。
「言い得て妙」の例文
- あの女性大統領のことを鉄の女というのは言い得て妙だ。
- 健太くんのことを昼行燈とは、言い得て妙のあだ名だ。
- この言葉がどこから出てきたのか、誰が言いだしたのか、まるでわからないけれど、まさに言い得て妙というところがある。(山口瞳 酒呑みの自己弁護)
- 他人の口に戸は立てられない、とは言い得て妙で、オフレコは建て前に過ぎず、話し手も先刻承知と見たほうが当たっている。(高杉良 金融腐蝕列島 上)
- 一茶に「柿を見て柿を蒔きけり人の親」という句がある。その時こんな句を思い出して、これが「柿を植えけり」じゃないところが言い得て妙だと思っておかしかった。(林望 テーブルの雲)
目上には皮肉になる?
「言い得て妙」は、実にうまく的確に表現していると感心する気持ちを表す言葉です。
なので人をほめるポジティブな意味で使います。
人をほめるポジティブな言葉ですが「言い得て妙」は、目上の人には使わない方が無難な言葉です。
なぜなら「言い得て妙」が、上から目線でほめ、なおかつ皮肉を言っている印象を与えかねないからです。
目上の人に対しては、自分よりもすぐれているという姿勢で接することがマナーです。なので、目上の人に対して「うまい言い方」とほめるのは皮肉っぽくなり不適切です。
目上の人に対しては「おっしゃる通りです」のように、強い共感を表す言葉で伝えた方が適切です。