【言葉】
忸怩たる思い
【読み方】
じくじたるおもい
【意味】
深く恥じ入る。
【類義語】
・慚愧に堪えない
「忸怩たる思い」の使い方
兄さんが世間を騒がすようなことをして、家族として忸怩たる思いだよ。
実の弟でも、お兄さんの全てを知っているわけじゃないんだからしょうがないわよ。
特に両親は、自分たちの教育が悪かったと忸怩たるものがあるようだ。
お兄さんを見捨てずに向き合っていけば、いい方向に進むかもしれないわよ。
「忸怩たる思い」の例文
- 一年前、御母堂は歯ごたえのあるケーキを供して登美彦氏と明石氏をもてなしたが、それを「歯ごたえのあるケーキ」と表現されたことに忸怩たる思いがあったらしい。(森見登美彦 美女と竹林)
- なにやら忸怩たる思いに胸を塞がれ、無意味に煙ばかり吹かした絹見は、「あれ、目立ちますね」と先に口を開いた高須につられ、背後を振り返ってしまった。(福井晴敏 終戦のローレライ 上)
- 力及ばず事を成すことができず、忸怩たる思いだ。
- 肝心な時に失敗することに関して、内心忸怩たる思いだ。
- 監督不行き届きだったことについて、顧問として忸怩たる思いだ。
「忸怩たる思い」と「慚愧に堪えない」の違いは?
「忸怩たる思い」に似ている表現の一つに「慚愧に堪えない(ざんぎにたえない)」があります。
「慚愧に堪えない」とは、深く恥じ入るまたは、罪を恥じる気持ちをおさえることができないという意味です。
「忸怩たる思い」も「慚愧に堪えない」も、深く恥じ入ることをいいます。
しかし「慚愧に堪えない」は、罪を恥じるという意味でも使われる点が違います。