【言葉】
述べる
【読み方】
のべる
【意味】
①考えや意見などを口に出して言う。
②文章で表す。
【類義語】
・言う
・しゃべる
・語る
・話す
「述べる」の使い方
「述べる」の例文
- 原因はまだほかにも考えられるが、それはまたあとで述べることにする。(ヘミングウェー 危険な夏)
- 志賀氏の作品に就いて自分の感じている事を、述べて見たいだけである。(菊池寛 志賀直哉氏の作品)
- 「述べる」とは、違った人間は違った人間として述べることではないか。(中島敦 李陵)
- 縄文時代について簡単に述べることとする。
- 広く一般的に知られていることだから、ここで述べる必要は無いだろう。
「述べる」と「言う」「話す」「語る」との違いは?
「述べる」に似ている語に「言う(いう)」「話す(はなす)」「語る(かたる)」があります。
「述べる」と「言う」の違いは?
「言う」とは、
1⃣言葉を口に出す。心に思っていること、考え・判断などを相手に伝達するために、言葉に出したり、文章に表したりする。
①口を通して言葉として出す。
②言葉にして表す。思うことを言葉で表現する。
③名づける。称する。…と呼ぶ。
④世間の人がそのように称する。一般にそう呼ばれている。
2⃣
①何らかの声や言葉を発する。
②動物などが声を出す。物が音を発する。音を立てる。
3⃣実質的な1⃣の意味が弱まったり、なくなったりして、常に他の語に付いて用いられる。
①(「…という」の形で体言に続けて)
㋐同格であることを示す。
㋑「と」の前の事柄を特に取り立てて示して、意味を強める。
㋒数量を表す語に付いて、その意味を強める。…に相当する。
㋓同じ名詞を前後に置いて、それに属するものはすべて、または、その語を強める意を表す。
②(「…というと」「…といえば」「…といい…といい」などの形で)話題として取り上げて示す。
③ 副詞「こう」「そう」「ああ」「どう」に「いう」「いった」が付いた形で体言に続けて、…のような、…の類の、の意を表す。
④代名詞「これ」「どこ」「なに」に「という」「といった」などが付いた形で、あとに打消しの語句を伴って、特に取り立てて言うほどの…がない意を表す。
⑤(「…という」「…ということだ」などの形で)話の内容が直接でなく他からの情報にもとづくことを表す。
⑥(「…といっても」「…とはいえ」「…とはいうものの」などの形で)事実は…であると認められるが、しかし…である(でない)意を表す。…であっても。
⑦接続助詞「から」に「といって」が付いた形で、あとに打消しの語句を伴って、そのような条件・理由であっても必ずしも…でない、の意を表す。
⑧(「…といったらない」の形で)程度が、これ以上に…なことはない、極めて…だ、の意を表す。
⑨(「そうかといって」「かといって」「といって」などの形で)本心としては拒みたいが、拒むのもまずいという意を表す。
4⃣
①詩吟を吟ずる。
②求愛する。言い寄る。
という意味です。
「述べる」も「言う」も、思うことを言葉にして表現することをいいます。
しかし「言う」は、反射的に小さな叫び声を上げるような場合にも使われ、「述べる」よりも幅広く使われます。
「述べる」と「話す」の違いは?
「話す」とは、
①言葉で相手に伝える。告げる。語る。
②相談する。話し合う。
③外国語を使う。
④交際する。つきあう。
⑤(遊里語で)遊女を買う。
という意味です。
「述べる」も「話す」も、思うことを言葉にして表現することをいいます。
しかし「述べる」は、文章語的な硬い言い方で、言葉を口に出す意のほか、文章に書いて表現する意がある点が「話す」と違います。
また「話す」には、相手と会話をするという意がある点が「述べる」と違います。
「述べる」と「語る」の違いは?
「語る」とは、
①話す。特に、まとまった内容を順序だてて話して聞かせる。
②語り物を節をつけて朗読する。
③ある事実がある意味・真実・事情などをおのずから示す。物語る。
④親しくまじわる。
という意味です。
「述べる」も「語る」も、思うことを言葉にして表現することをいいます。
しかし「述べる」には、文章に書いて表現する意がある点が「語る」と違います。
また「語る」は、聞き手にまとまった内容のことを聞かせる意がある点が「述べる」と違います。