【言葉】
貴ぶ
「尊ぶ」とも書く。あがめ敬う意の場合に「尊」、価値のあるものとして大切にする意の場合に「貴」を使うことが多い。
【読み方】
とうとぶ
【意味】
うやまって大切に扱う。重んずる。たっとぶ。とうとむ。
【類義語】
・尊敬
・敬う
・崇める
【対義語】
・蔑む
・蔑ろ
「貴ぶ」の使い方
昔の日本では、婉曲な表現が好まれたよね。
今では、ストレートな物言いでディスカッションができる人材が貴ばれるのよ。
欧米化されたんだね。
良いところを真似するのはいいことだけど、日本の奥ゆかしさが失われるのは寂しいわね。
「貴ぶ」の例文
- カーライルがわれわれに遺してくれたこの本は実にわれわれの貴ぶところでございます。(内村鑑三 後世への最大遺物)
- 俗悪を知り尽くして、尚、高きものを失わない人間は、貴ばれねばならぬ。(中島敦 光と風と夢)
- 改進家流にも賤しむべき者あらん、守旧家流にも貴ぶべき人物あらん。(福沢諭吉 学者安心論)
- 和菓子職人は四季を感じ、四季を貴ぶ。
- 現代では多様性が貴ばれる。
「兵は神速を貴ぶ」とは?
「貴ぶ」を用いた表現の一つに「兵は神速を貴ぶ(へいはしんそくをとうとぶ)」があります。
「兵は神速を貴ぶ」とは、兵を用いるには、一刻も遅疑せずに迅速に行動することが大事であるという意味です。
出典は「三国志」(魏志、郭嘉伝)からです。
【例文】
- 目まぐるし状況が変わる現代では、兵は神速を貴ぶの精神で戦略を立てるべきだ。
- 経営には、兵は神速を貴ぶのようなスピード感が必要だ。