「蓋し」の意味と使い方や例文!法律用語では誤用になってる?(類義語)

【言葉】
蓋し

【読み方】
けだし

【意味】
①まさしく。ほんとうに。たしかに。発語としても使う。
②ひょっとしたら。もしや。

【類義語】
・画然
・如実
・明瞭
・いかにも

「蓋し」の使い方

ともこ
宝くじは買っても当たらないことが多いけど、買わないと絶対に当たらないのよ。
健太
蓋し正論だね。反論できないよ。
ともこ
それでどうするの?買うの?買わないの?
健太
当たらなくても夢を買う。当たったらラッキーぐらいの気持ちで買うことにしたよ。

「蓋し」の例文

  1. 三町は蓋し遠い道ではないが、身体も精神も共に太(いた)く疲れて居たからで。(泉鏡花 星あかり)
  2. 蓋し今の朝廷また建文を窘めずして厚く之を奉ず可きをおもえるなり。(幸田露伴 運命)
  3. 蓋し装幀用の純和紙として之以上のものは他に決してないであらう。(柳宗悦 和紙十年)
  4. 彼の言ったことは、蓋し至言である。
  5. 罪を犯した彼に同情論が出たことは、蓋し当然のことである。

法律用語では誤用になってる?

蓋し」は、
①確信のある推定を表す「まさしく。ほんとうに。たしかに。」
②疑いの気持ちを含む推定を表す「ひょっとしたら。もしや。」

のように、確信と疑いという正反対の推定を表す語です。

これが、法律用語では「なぜなら」の意で使われます。

我妻栄先生の著書「民法講義」で使われたことで、間違って広まったのではと言われています。

蓋し」の誤用は古く、明治初期のころから見られます。

古い判決では「蓋し」が「なぜなら」の意で頻繁に使われていましたが、最近では少なくなりました。