【言葉】
生殺し
【読み方】
なまごろし
【意味】
①ほとんど死ぬばかりの状態にしておくこと。はんごろし。
②結末をつけずに、相手が困り苦しむのを放っておくこと。中途半端にしておくこと。
【類義語】
・半殺し
「生殺し」の使い方
好きな子にお付き合いはできないけど、また遊びたいって言われたんだ。
生殺し状態ね。
いつか振り向いてくれるんじゃないかって期待しちゃうよね。
いいように使われているだけだと思うわ。
「生殺し」の例文
- こいつは自分をいつまでも蛇の生殺しのようにいたぶるのであります。(ディケンズ 荒涼館)
- 暗いことを忘れかけると思ひ出させられ思ひ出させられしてさんざん生殺しの目にあはされました。(有島武郎 水野仙子氏の作品について)
- 生殺しにして、なぶつて、なぶつて、さうして最後は泥舟でぶくぶくである。(太宰治 お伽草紙)
- 下請けの会社を生殺しの目にあわせて恨みを買う。
- 社長に逆らった父は、職場で生殺しの状態に置かれている。
「生殺し」と「生け殺し」「飼い殺し」との違いは?
「生殺し」と「生け殺し(いけころし)」「飼い殺し(かいごろし)」との違いは?
「生殺し」と「生け殺し」の違いは?
「生け殺し」とは、「歌舞伎で舞台の進行に合わせて下座音楽を強めたり弱めたりすること。また、せりふの抑揚・強弱にもいう。」という意味です。
「生殺し」は、「ほとんど死ぬばかりの状態にしておくこと。中途半端にしておくこと。」をいい、歌舞伎用語で強弱をつけることをいう「生け殺し」とは意味が違います。
「生殺し」と「飼い殺し」の違いは?
「飼い殺し」とは、「家畜を死ぬまで飼うこと。転じて、役に立たなくなったものを一生養っておくこと。また、能力を発揮できる仕事を与えないまま雇っておくこと。」という意味です。
「生殺し」も「飼い殺し」も、中途半端なことをいいます。
「生殺し」は、結末をつけずに、中途半端にして相手が困り苦しむのを放っておくことをいいます。
対して「飼い殺し」は、役に立たなくなったものを一生養ったり、能力を発揮できる仕事を与えないまま雇い続けるような中途半端なことをいいます。