【言葉】
穀潰し
【読み方】
ごくつぶし
【意味】
食べるだけでなんの役にも立たない者。多く人をののしって言う語。
【語源・由来】
穀物を潰す意から。
【類義語】
・五穀潰し
「穀潰し」の使い方
健太くんのお兄さんは、家業を継いだのよね。
家業を継いだとはいっても何もしていないんだよ。ご飯を食べて寝るだけの穀潰しだ。
ご両親は何も言わないの?
やる気になるまで待っているみたいだよ。そんな日がいつか来るのかな。
「穀潰し」の例文
- これでも書かなくっちゃ何のために生れて来たのかわからない。それが書けないときまった以上は穀潰し同然ださ。(夏目漱石 野分)
- 社会の役に立つのなら、ヨーダのように九百年生きてもかまわないが、ほとんどのジジババはただの穀潰しだ。(歌野晶午 葉桜の季節に君を想うということ)
- 語源としては寛文十二年、大阪で、漂着した異形の異国人の見せ物があり、その名をべらぼうと呼んだに始まるという説と、飯を糊にする竹箆の棒、すなわち穀潰しの意からきているとするのと二説ある。(泉鏡花 高野聖)
- 彼は穀潰しでぐうたらな男で、奥さんの稼ぎが無いと野垂れ死ぬだろう。
- 発達障害への理解が低いため、世間からはただの穀潰しだと思われている。
「穀潰し」と「ニート」の違いは?
「穀潰し」に似ている語に「ニート」があります。
「ニート」とは、「not in, employment or training」の略です。職に就かず、教育や職業訓練も受けていない若者のことをいいます。
イギリスで生まれた言葉で、2004年ころから日本でも問題化しました。
「穀潰し」も「ニート」も、職に就ていない人のことをいいます。
しかし「穀潰し」は、働く気がないが、外出する人のことをいいます。
対して「ニート」は、働く気がなく、家の外にも出ない若者のことをいいます。