【言葉】
惨め
【読み方】
みじめ
【意味】
かわいそうで見るにしのびないさま。いたいたしいさま。
【類義語】
・悲惨
・惨烈
・凄惨
「惨め」の使い方
健太くんは上昇志向がすごいわね。
惨めな境遇で育ったから。
だから高みを目指しているのね。
見上げることにはもうあきたんだ。次は見下ろす側になりたい。
「惨め」の例文
- そんなことをしたらかえって自分が惨めになることはよく承知していた。(小池真理子 墓地を見おろす家)
- これほど惨めなクリスマスを送ったのは後にも先にもこの年だけである。(イネス ベルリン空輸回廊)
- 彼等はその殆んどが半自由労働者なので、どれも惨めな生活をしていた。(小林多喜二 工場細胞
- 失敗だらけの惨めな人生に腹が立ってきて、酒におぼれる。
- 慰められるとかえって惨めになるだけだから、今はそっとしておこう。
「惨め」と「哀れ」の違いは?
「惨め」に似ている語に「哀れ(あわれ)」があります。
「哀れ」とは、
1⃣[名]しみじみ心に染みる感動、また、そのような感情を表す。
①(「憐れ」とも書く)強い心の動き。特に悲哀・哀憐の感情。不憫 (ふびん) と思う気持ち。
②かわいそうな状態。無惨な姿。
③底知れないような趣。情趣。ものがなしさ。
④どうすることもできないような心の動き。感慨。
⑤しみじみとした情愛・人情。慈愛の気持ち。
2⃣[形動][文][ナリ]感動を起こさせる状況、しみじみ心を打つもののさまを広く表す。現在では、多く悲哀・哀憐の感情に限定される。
①(「憐れ」とも書く)かわいそうに思われるさま。気の毒だ。惨めだ。
②しみじみともの悲しく感じるさま。はかなく、また、さびしく思われるさま。
③しみじみと心を打つ風情があるさま。趣があるさま。
④しみじみと心に染みて愛着を感じるさま。いとしいさま。かわいいさま。
⑤しみじみとした愛情があるさま。優しいさま。
⑥感服させられるさま。感心だ。殊勝だ。
⑦尊く、ありがたいさま。
3⃣[感]
①ものに感動したときに発する語。感嘆賞美の場合にも哀傷の場合にも用いる。ああ。
②願望の気持ちを表す。ぜひとも。
③囃子詞 (はやしことば) として用いる。
という意味です。
「惨め」は、見ていて「哀れ」でいたいたしいことをいい、「哀れ」の意味を含みます。
しかし「惨め」には、同情の気持ちは含まれておらず、自分は決してああはなりたくないというニュアンスを含みます。
また「惨め」は、自分で自分がひどく情けないさまをいいます。