【言葉】
恐れ多い
【読み方】
おそれおおい
【意味】
①貴人や尊敬する人などに対して、失礼になるので申し訳ない。
②わが身にはありがたく、もったいない。
【類義語】
・有り難い
・もったいない
・かたじけない
「恐れ多い」の使い方
健太くんは、尊敬する先生と同じテーブルでご飯を食べればいいわ。
そんな恐れ多い。僕は隅っこでいいよ。
せっかく尊敬する人と言葉を交わすチャンスなのに?
尊敬しすぎて言葉を交わすなんて不可能だよ。
「恐れ多い」の例文
- DNAを切り貼りするという恐れ多いことが自分の手でできてしまうのに純粋な驚きを覚えた。(瀬名秀明 パラサイト・イヴ)
- 宮さまとわたくしは恐れ多うございますが、従姉妹なのですもの。(田辺聖子 新源氏物語)
- 恐れ多い事であるが、昔は、天子様の御身体は、魂の容れ物である、と考へられて居た。(折口信夫 大嘗祭の本義)
- 彼の名を私ごときが口にするのも恐れ多い。
- こんな大きな賞をいただけるとは、ありがたいというか恐れ多い。
「恐れ多い」と「恐縮」「僭越」との違いは?
「恐れ多い」に似ている語に「恐縮(きょうしゅく)」「僭越(せんえつ)」があります。
「恐れ多い」と「恐縮」の違いは?
「恐縮」とは、
①おそれて身がすくむこと。
②相手に迷惑をかけたり、相手の厚意を受けたりして申し訳なく思うこと。おそれいること。また、そのさま。
という意味です。
「恐れ多い」も「恐縮」も、申し訳ないことをいいます。
しかし「恐れ多い」は、目上の人に対して失礼になるので申し訳ないことをいいます。
対して「恐縮」は、相手に迷惑をかけたり、相手の厚意を受けたりして申し訳ないと思うことをいいます。
また「恐縮」には、恐れ縮み上がるという意味があります。
「恐れ多い」と「僭越」の違いは?
「僭越」とは、「自分の地位や立場を越えて出過ぎたことをすること。また、そのさま。」という意味です。
「恐れ多い」も「僭越」も、「恐れ多いことですが一言申し上げます」「僭越ながら申し上げます」のように、似たような使い方をされます。
「恐れ多い」も「僭越」も、目上の人に対して申し訳ないことをいいます。
しかし「僭越」は、分不相応で出過ぎたまねをすることをいいます。