【言葉】
小賢しい
【読み方】
こざかしい
【意味】
①利口ぶって生意気である。
②悪賢い。
【類義語】
・悪賢い
「小賢しい」の使い方
健太くん。どんなテクニックを使って、先生を説得したの?
小賢しいことは何もしていないよ。まっすぐに気持ちをぶつけただけだよ。
それであの頑固者を説得できたの?
シンプルな方が伝わると思ったんだ。
「小賢しい」の例文
- 己れの小賢しさを誇ることのみが彼女の一生の天職なのだ。(坂口安吾 吹雪物語)
- 相手チームが小賢しい手口を使ってくる。
- 小賢しいやり方で税金対策をする経営者が多い。
- 僕は一か月も大沢の家へ通ううち、今までの生意気な小賢しいふうが次第に失せてしまった。(国木田独歩 初恋)
- 導く人のやはり我仲間であったことは、或いは時代に相応せぬ鄙ぶりを匡しえない結果になったか知らぬが、そのかわりにはなつかしい我々の大昔が、たいして小賢しい者の干渉を受けずに、ほぼうぶな形をもって今日までも続いてきた。(柳田国男 山の人生)
「小賢しい」と「賢い」「あざとい」「猪口才」との違いは?
「小賢しい」に似ている語に「賢い(かしこい)」「あざとい」「猪口才(ちょこざい)」があります。
「小賢しい」と「賢い」の違いは?
「賢い」とは、
①(賢い)頭の働きが鋭く、知能にすぐれている。利口だ。賢明だ。
②(賢い)抜け目がない。要領がいい。
③恐れ多く、もったいない。
④神や自然などの超越的なものに対して、畏怖の念を覚えるさま。恐ろしい。恐るべきだ。
⑤尊い。ありがたい。
⑥すばらしい。結構だ。りっぱだ。
⑦都合がよい。運がいい。幸いだ。
⑧(連用形を用いて副詞的に)程度のはなはだしいさま。非常に。盛大に。
という意味です。
「賢い」は、頭の回転が早いという良い意味で使われます。
対して「小賢しい」は、利口ぶっていて生意気、悪い方向に知恵が働くことをいい、悪い意味で使われます。
「小賢しい」と「あざとい」の違いは?
「あざとい」とは、
①思慮が浅い。小利口である。
②押しが強くてやり方が露骨で抜け目がない。
という意味です。
「あざとい」は、浅はかで「小賢しい」ことをいい、「あざとい」に、浅はかという意味がある点が違います。
また、「小賢しい」は、利口ぶって生意気という意味がありますが、「あざとい」にその意味はなく、「あざとい」に、抜け目がなく貪欲という意味がありますが、「小賢しい」にその意味はありません。
「小賢しい」と「猪口才」の違いは?
「猪口才」とは、「小生意気なこと。こざかしいこと。また、そのさまや、そのような人。」という意味です。
「小賢しい」も「猪口才」も、同じような意味で使われます。