【言葉】
たちまち
「忽ち」とも書く。
【意味】
①短時間のうちに動作が行われる様子。
②思いがけなくある事態が発生する様子。
③(多く「たちまちに」の形で)現に。確かに。まさに。
【類義語】
・すぐ
・即刻
・にわかに
・急に
「たちまち」の使い方
健太くん。書類を彼に渡してくれた?
姿を見ておやっと思ったんだけど、たちまち通り過ぎて行ってしまったんだ。
何で呼び止めないのよ。
残像しか見えなような、目にもとまらぬ速さだったんだよ。
「たちまち」の例文
- たちまち高くたちまち低いその震え声は笑っているようにさえ聞こえた。(有島武郎 或る女)
- と、たちまち描は二条の放射線となって露路の奥の方へ逃げてしまった。(梶井基次郎 交尾)
- 優勝を果たした選手たちは、たちまち有名人になってちやほやされた。
- 健太くんのスーパーカーは、爆音を立ててたちまちはるか彼方に消えた。
- 中に藁を敷き、裏窓の軒下に置いてある。このような日を幾月も送った後、彼等はたちまち自分で土を掘り始めた。(魯迅 兎と猫)
「たちまち」と「すぐに」「直ちに」の違いは?
「たちまち」に似ている表現に「すぐに」「直ちに」があります。
「たちまち」と「すぐに」の違いは?
「すぐに」は、「時間を置かないさま。ただちに。」という意味です。
「たちまち売り切れた」「すぐに売り切れた」のように、両語とも、きわめて短時間のうちになされるさまをいいます。
しかし「たちまち」は、短時間のうちに状況が変化するさまをいいます。
対して「すぐに」は、短時間で事を行うことをいいます。
「たちまち」と「直ちに」の違いは?
「直ちに」とは、
①間に何も置かないで接しているさま。直接。じかに。
②時間を置かずに行動を起こすさま。すぐ。
という意味です。
「たちまち」も「直ちに」も、短時間でのことをいいます。
しかし「たちまち」は、短時間に変化が起こるさまをいいます。
対して「直ちに」は、時間を置かずという意味で、短時間で事を行うことをいいます。