「とち狂う」の意味と使い方や例文!「狂う」との違いは?(語源由来・類義語)

【言葉】
とち狂う

【読み方】
とちくるう

「とちぐるう」「どちぐるう」とも。
【意味】
①ふざける。たわむれる。
②勘違いして判断を誤る。

【語源・由来】
「とち狂う」の「とち」は、栃の木の「栃(とち)」からといわれる。栃の実は、山間部で灰汁を抜いて麵にして食べる習慣があった。「栃麺」は、早くしなければよく延びないので、急いで調理する必要があったことから、あわてうろたえる意の「栃麺棒(とちめんぼう)」や「とちめく」という語が生まれ、「とち狂う」の「とち」につながったとされる。また、役者がせりふを間違える意の「とちる」からともいわれる。

【類義語】
・問題のある
・気がふれた
・まともではない

「とち狂う」の使い方

健太
父さんがキティちゃんにはまったんだ。
ともこ
何があったんでしょうね。
健太
とち狂ってるよ。家中キティちゃんグッズなんだよ。
ともこ
ちょっとうらやましいわ。

「とち狂う」の例文

  1. 80歳にして自宅を新築し、老い先短いのにとち狂ったかと言われた。
  2. お金に困って犯罪に手を染めるとはとち狂ったか。
  3. 妊娠中の妻を置いて他の女性のもとに行くとはとち狂っているとしか思えない。
  4. 何をとち狂ったのか、彼は家中をピンクに塗り替えてしまった。
  5. とち狂って、全財産を競馬につぎ込んだ。

「とち狂う」と「狂う」の違いは?

とち狂う」に似ている語に「狂う(くるう)」があります。

狂う」とは、
①精神の正常な調和がとれなくなる。気が違う。気がふれる。
②物事・機械の働きや状態が正常でなくなる。
③ねらい・見込みなどが外れる。予測・計画通りにならない。
④物事に異常に熱中して見さかいがつかなくなる。おぼれる。
⑤(他の動詞の下に付いて)普通の程度を越えて激しく動き回る。ひどく…する。
⑥神霊・もののけが取りついて、普通ではない行動をする。神がかりになる。
⑦激しく動き回ったり、舞い踊ったりする。
⑧ふざける。じゃれつく。

という意味です。

とち狂う」も「狂う」も、ふざけるという意味があります。

しかし「とち狂う」は、人の様子に使います。

対して「狂う」は、物に対しても使われ、正常でなくなる、予定通りにならないなど幅広い意味で使われます。