【言葉】
よしんば
「縦んば」と表記する。
「縦」を強めた語。
【意味】
かりにそうであっても。たとい。よし。よしや。
【類義語】
・万一
・たとえ
・仮に
・もしも
・想定
「よしんば」の使い方
あの人は何か企んでいる気がするわ。
よしんば彼が何か企んでいたとしても、それは未遂に終わるだろう。
どうしていいきれるの?
この学校には、僕の密偵がたくさんいるから分からないことは無いんだよ。
「よしんば」の例文
- どうせうだつの上らない一生だ。よしんば、その為に命を落したところで、何の惜しいことがあるものか。(江戸川乱歩 パノラマ島綺譚)
- よしんば、君がそのとおり思っていたところで、たいしたことじゃないさ。(ディケンズ 本多顕彰 二都物語)
- よしんばそれをやってみたところで、行き立つ商売じゃないよ。(徳田秋声 縮図)
- よしんば流木でいかだをつくることができたとしても、この小さな島から大陸まで行きつくことができるかどうか。
- よしんばこの手に金があったとしても、できることはたかが知れている。
「よしんば」と「あわよくば」との違いは?
「よしんば」に似ている語に「あわよくば」があります。
「あわよくば」とは、「うまくゆけば。間がよければ。」という意味です。
文語形容詞「間(あは)よし)」の未然形+助詞「ば」から成る語です。
「よしんば」は、仮に 、たとえそうだったとしてもという意味です。
対して「あわよくば」は、幸運に恵まれればという意味なので、意味が違います。