【言葉】
たなびく
「棚引く」と表記する。
【意味】薄く層をなした雲・霞などが横に長くただよう。
【類義語】
・はためく
「たなびく」の使い方
秋の雲がたなびいてるね。
秋風も爽やかで深呼吸したくなるわね。
秋の空って高く見えるよね。
秋は上空の高いところにできる雲が多くて、青空の見える範囲が広くなるから空が高く見えるんですって。
「たなびく」の例文
- 工場の尖塔のひとつから煙がたなびいています。
- しかももう水平線には敵の艦隊の挙げる煙も幾すじかかすかにたなびいていた。(芥川龍之介 三つの窓)
- そこから薄霧が立ち昇り、青空の裾に綿雲のようにたなびいていました。(エミリー・ブロンテ 嵐が丘)
- 煙がゆっくりと木々の間に流れ、光の筋をたなびかせていた。(上橋菜穂子 鹿の王 下)
- その崕下の民家からは炊煙が夕靄と一緒になって海のほうにたなびいていた。(有島武郎 或る女)
「たなびく」と「なびく」「はためく」との違いは?
「たなびく」に似ている語に「なびく」「はためく」があります。
「たなびく」と「なびく」の違いは?
「なびく」は、
①風や水の勢いに従って横に倒れるようにゆれ動く。
②相手の意思や威力に引き寄せられて従う。
③異性に言い寄られて受けいれる。
という意味です。
「たなびく」の「たな」は接頭語、また、「なびく」に接頭語「た」のついたものともいわれています。
「たなびく」は、雲・霞など形のないものが横に長くただようことをいいます。
対して「なびく」は、旗などが、風や水の勢いに従って横に倒れるようにゆれ動くことをいいます。
「たなびく」と「はためく」の違いは?
「はためく」は、「旗・布などが風に吹かれてひるがえる。また、はたはたと音を立てる。」という意味です。
「たなびく」は、雲・霞など形のないものが横に長くただようことをいいます。
対して「はためく」は、旗・布などが風に吹かれてひるがえることをいいます。