【言葉】
よんどころない
「拠無い」と表記する。
【意味】やむを得ない。余儀ない。
【語源・由来】
「よりどころなし」の音便。
【類義語】
・仕方がない
・余儀ない
・詮方ない
「よんどころない」の使い方
健太くん一人で掃除しているの?
みんな、先生に掃除をするように言われてよんどころなく「はい」って言っていたんだ。
しぶしぶ返事をしたけど、やっぱり掃除をすることが嫌で帰ってしまったのね。
掃除をしないと先生に怒られると思うと気になって。僕は残って掃除をすることにしたんだ。
「よんどころない」の例文
- そして君のほうには顔も向けないで、よんどころなくさし出された絵を取り上げて見た。(有島武郎 生まれいずる悩み)
- あの子はもうじき帰ってくるのだからと、よんどころなく言いきかせました。(エミリー ブロンテ 嵐が丘)
- おれは一向知らんが、仲間のことだから、どうもよんどころない。(島崎藤村 夜明け前)
- よんどころない事情で欠席させていただきます。
- 反対する者が増え、よんどころなく計画を中止せざるを得なかった。
「やんごとない」との違いは?
「よんどころない」に似ている語に「やんごとない」があります。
「やんごとない」とは、「止事無い」と表記します。
「やんごとない」は、
①捨てて置かれない。よんどころない。
②ひと通りでない。特別である。
③(身分・地位などが)きわめて尊い。重々しい。高貴である。
④粗末には扱えず貴重である。恐れ多い。
という意味です。
「よんどころがない」は、やむをえないことをいいます。
対して「やんごとない」は、「かけがえのない。身分が高い。」という意味で使われます。
なので両語の意味は異なります。