【言葉】
老婆心ながら
【読み方】
ろうばしんながら
【意味】
お節介ですが。余計なことかもしれないが。
「老婆心」は、年とった女性が、度を越してあれこれと気を遣う意から、必要以上に世話をやこうとする自分の気持ちをへりくだっていう語。
【類義語】
・お節介ながら
「老婆心ながら」の使い方
犬が飼いたいなあ。
犬を飼ったことのある僕から老婆心ながら申し上げます。彼らは賢いけれども人間ほど空気を読むことができるわけじゃないし、いたずらもするし、毎日散歩に行かないといけないし、年を取ったら介護が必要なんだよ。
うわあ。ネガティブ要素ばかりありがとう。
命を預かるんだから、真剣に考えるべきことだよ。
「老婆心ながら」の例文
- 「老婆心ながら、申し添えます」 杉戸が落ちついた声で口をはさんだ。(藤沢周平 隠し剣孤影抄)
- パリから、夫が考えたコピーを送ってきた人妻は「妻として、夫の才能を信じてついて来てよかったと思っております」と付記してきたが、老婆心ながら、「才能以外のものを信じてあげなはれ」と言っておく。(糸井重里 糸井重里の萬流コピー塾)
- まして、あなたのような真面目な医師は、患者といっしょになって苦しむんじゃないかと、老婆心ながら、そんな心配をしてしまいます。(多島斗志之 症例A)
- 今悩んでいることは必ず将来に結び付くと、老婆心ながら若者に助言した。
- 老婆心ながら申し上げる。気力体力は衰えていくものだから、いつかやるではなく今やるべきだ。
目上や上司にはNG?
「老婆心ながら」は、目上の人が、お節介ですがという前置きで、目下の人に意見を述べるときに使う謙遜の表現です。
なので目上の人に対してふさわしい表現ではありません。
目下の立場から目上の人に対して意見を述べる場合は、「僭越ながら」「出過ぎたことを申すようですが」「お言葉ですが」「失礼を承知の上で申し上げますが」「大変申し上げにくいのですが」などの表現を使うと良いでしょう。