「忍びない」の意味と使い方や例文!「申し訳ない」との違いは?(類義語)

【言葉】
忍びない

【読み方】
しのびない

【意味】
(自分が)・・・することに耐えられない。・・・して平気でいられない。

【類義語】
・やるせない
・耐えがたい
・かわいそう
・気の毒

「忍びない」の使い方

ともこ
あの子の悲しそうな顔を見るのは忍びないわね。
健太
でも、僕たちにできることはないね。
ともこ
話を聞いてあげることしかできないわね。
健太
彼女が今欲していることはそういうことじゃないんだよね。

「忍びない」の例文

  1. それ以来今までにどんな所行をし続けて来たか、それは到底語るに忍びない。(中島敦 山月記)
  2. 息子に汚点をつけるのは、何としても忍びないから死ぬ気になったのだという。(井伏鱒二 多甚古村)
  3. まづ、五六十万の現金さへつくれば、その金を土台にして、あとは何とか出来てゆくやうな気がした。このまゝ手をつかねて、この時代をやりすごすには忍びないのだつた。(林芙美子 浮雲)
  4. 鳴き声を聞くに忍びなかったので、子猫の姿を探した。
  5. 被災地は見るに忍びない惨状だった。

「忍びない」と「申し訳ない」の違いは?

忍びない」に似ている語に「申し訳ない(もうしわけない)」があります。

申し訳ない」とは、「弁解の余地がなく相手にすまない。詫びる時などに言う語。」という意味です。

両語は、「健太くんにだけやらせるのは忍びない」「健太くんにだけやらせるのは申し訳ない」のように、似たような使い方をされます。

しかし「忍びない」は、耐えられないことをいい、「健太くんにだけやらせるのは忍びない」は、健太くんにだけやらせるのは耐えられず心苦しいという意味です。

対して「申し訳ない」は、すまないと詫びる気持ちをいい、「健太くんにだけやらせるのは申し訳ない」は、健太くんにだけやらせるのは悪いなと思うという意味です。

なので「忍びない」と「申し訳ない」は意味が違います。