「漸く」の意味と使い方や例文!「暫く」「悉く」との違いは?(類義語・対義語)

【言葉】
漸く

【読み方】
ようやく

【意味】
①しだいに。だんだんと。
②しばらくたって。
③おもむろに。ゆっくりと。
④やっとのことで。かろうじて。

【類義語】
・かろうじて
・からくも
・危うく
・すんでのところで
・やっとこさ
・間一髪

【対義語】
・直ぐ
・早くも

「漸く」の使い方

健太
新しい環境に漸く慣れてきたよ。
ともこ
新しい学校、新しい友達、新しい先生。全てが新しくて戸惑うことばかりよね。
健太
友だちができると、はやく慣れるよね。
ともこ
学力が伸びるかどうかは先生次第だけど、学校が楽しいかどうかは友達次第よね。

「漸く」の例文

  1. 漸く両親にありのままの自分を受け入れてもらえた。
  2. 漸く妊娠することができてほっとする。
  3. 長く待ち受けたものが漸くのことで町を埋めに来て呉れたという気もする。(島崎藤村 雪の障子)
  4. 三千代はただ、 「私、それで漸く安心したわ」と云っただけであった。(夏目漱石 それから)
  5. 忙しい日が続いたが、漸く一息つくことができた。

「漸く」と「暫く」「悉く」との違いは?

漸く」に似ている語に「暫く(しばらく)」「悉く(ことごとく)」があります。

「漸く」と「暫く」の違いは?

暫く」は、
①すぐではないが、あまり時間がかからないさま。少しの間。しばし。
②時間的にある程度長く続くさま。当分。
③一時的であるさま。仮に。

という意味です。

漸く(ようやく)」は、「しばらく」と読み間違えられることが多いのですが「しばらく」は、「暫く」と書きます。

暫く」は、少しの間、一時的など、ある短い期間をいう語です。

しかし「漸く」は、「暫く」してという意味があり、ある期間を経てやっと、おもむろに、しだいにという意味で使われます。

「漸く」と「悉く」の違いは?

悉く」は「問題にしているもの全部。残らず。すべて。みな。」という意味です。

漸く」は、「しだいに。だんだんと。しばらくたって。おもむろに。ゆっくりと。やっとのことで。かろうじて。」という意味で使われます。

悉く(ことごとく)」と「漸く(ようやく)」は、見た目が似ているので混同しやすいですが、意味が違うので注意しましょう。