【言葉】
物恐ろしい
【読み方】
ものおそろしい
【意味】
何となくおそろしい。
【類義語】
・そら恐ろしい
「物恐ろしい」の使い方
ここは物恐ろしいね。
廃校ってなんでこんなに物恐ろしいのかしらね。
騒がしい学校のイメージがあるからかな。シーンと静まり返って真逆だもんね。
もともと、なぜか学校には怪談話が多いしね。
「物恐ろしい」の例文
- 物恐ろしい無言の人間が二人そこに置かれたきりだ。(室生犀星 舌を噛み切った女)
- 而して暑さに蒸れ切った空気と、夜よりも暗い暗闇とは、物恐ろしい仮睡に総ての人を誘うのである。(有島武郎 かんかん虫)
- この手代に言わせれば、こんなものの欠片を飲んで、不老長寿を得ようとする人という生き物は、妖よりはるかに物恐ろしいという。(畠中恵 しゃばけ)
- 呪われた地と噂されるだけあって物恐ろしい。
- 山の中は物恐ろしいからキャンプは好きじゃない。
「物恐ろしい」と「恐ろしい」との違いは?
「物恐ろしい」に似ている語に「恐ろしい(おそろしい)」があります。
「恐ろしい」とは、
①対象が自分に危害を及ぼしそうでまた無気味でこわい。
②おどろくべきである。
㋐たいしたものである。えらい。
㋑とんでもない。ひどい。
㋒予見できない。不思議である。
③(多く「ーく」の形で副詞的に)物事の程度がはなはだしい。
という意味です。
「物恐ろしい」も「恐ろしい」も、怖いという意味があります。
しかし「物恐ろしい」は、「恐ろしい」に、形容詞や形容動詞の語幹に付く接頭語「物」がついた語です。
「物」は、
①なんとなくそのような状態である。
②いかにもそうである。
という意味で、「物恐ろしい」では①の意味で使われます。
また、「恐ろしい」には、こわいの意味のほかに、「おどろくべきである。たいしたものである。えらい。とんでもない。ひどい。予見できない。不思議である。物事の程度がはなはだしい。」という意味で使われる点が「物恐ろしい」と違います。