【言葉】
それとなく
【意味】
遠回しに。それとなしに。
【類義語】
・暗に
【対義語】
・わざとらしく
「それとなく」の使い方
健太くん。やっぱり失敗したの?
僕が失敗するって分かっていたの?
それとなく忠告したじゃない。
それとなくじゃなくて、はっきり言って欲しかったよ。
「それとなく」の例文
- 彼女はそれとなく暇乞いのつもりで、しばらく座敷牢の外に時を送った。(島崎藤村 夜明け前)
- 杉野はお前の話を始める前に、それとなく荘田の事を賞めているのだ。(菊池寛 真珠夫人)
- 私も、その村の人々をそれとなく観察し、できるだけ理解しようとはした。(原民喜 小さな村)
- ともこちゃんの過去を知っていそうな人に、それとなく探りをいれる。
- その可能性があることを、健太くんにそれとなく示唆した。
「それとなく」と「なんとなく」の違いは?
「それとなく」に似ている語に、「なんとなく」があります。
「なんとなく」とは、「言動などに、はっきりとした理由・目的がないさま。なんとはなしに。」という意味です。
「それとなく」も「なんとなく」も、はっきりしないことをいいます。
しかし「それとなく」は、明確ではなく暗にという意味です。
対して「なんとなく」は、明確な理由や目的もなくという意味です。