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「一掃」と「一層」の違い・使い分け!「いっそう」の同音異義語

「いっそう」の同音異義語

同音異義語とは、発音は同じでも意味が異なる単語のことです。

これらの言葉は多くの言語に存在し、日本語においても例外ではありません。

同音異義語は、言語の多様性と進化の証であり、時には混乱を招くこともあります。

この記事では、一掃」と「一層」の意味の違いや文脈に応じた使い分けについてわかりやすく解説します。

同音異義語の理解を深めることで、言語の微妙なニュアンスをより豊かに感じ取ることができるでしょう。

一掃(いっそう)の意味と使い方や例文

一掃(いっそう)をイメージしたイラスト
一掃 残らず取り除くこと。
  • 「滞貨一掃
  • 「在庫一掃
  • 「敵を一掃した」
  • 「悪の温床を一掃する」
  • 「悪習を一掃する」
  • 「暴力を一掃する」
  • 「走者一掃の三塁打」
  • 「冬物一掃セール」
意味

一掃という言葉は、物事を完全に取り除く、または清掃することを意味します。この表現は、物理的なものだけでなく、比喩的な意味でも使用されます。

例えば、在庫の完全な処分、敵や悪習などの完全な排除、あるいは問題や障害を根本から解決し、なくすことを指します。

使用される場面に応じて、一掃は、単に掃除するという行為を超えて、何かを完全に終わらせる、または徹底的に解決するという強いニュアンスを持ちます。

例文

  1. 新しいプロジェクトを始める前に、古いファイルを一掃した。
  2. このアプリはスマートフォンの不要なデータを一掃してくれる。
  3. 彼は議論の場で反対意見を一掃するのが得意だ。
  4. 大掃除で部屋の隅々まで一掃した。
  5. 社内の古い規則を一掃し、新しいシステムを導入した。
  6. 新しい政策により、市内の不法駐車が一掃された。
  7. チームは全力を尽くし、競合他社を市場から一掃した。
  8. 新型ウイルスの感染拡大を防ぐため、街中の公共施設が一掃された。
  9. 新しい管理者は、効率を上げるために古いシステムを一掃した。
  10. 彼女はクローゼットを一掃し、不要な服を全て寄付した。

一層(いっそう)の意味と使い方や例文

一層(いっそう)をイメージしたイラスト
一層 名詞としては一つの重なりや建物の最下層を指し、副詞としては程度が増すさま、さらに、またはいっそのこと。
  • 「台風の接近で風雨が一層激しくなった」
  • 「なお一層の努力が必要だ」
  • 「寒さが一層厳しくなる」
  • 「末っ子をより一層かわいがる」
  • 一層ひと思いに死んでしまいたい」
  • 「ここに為朝は一層の疑念をまして」
  • 一層面白くなる」
  • 「より一層の注意が必要だ」
意味

一層という言葉には主に二つの用途があります。一つ目は名詞としての使用で、何かが重なった状態を指し、「ひとかさね」と表現されます。

この意味では、物理的な重なり合いや、建物の階層などを示す場合に使われます。二つ目は副詞としての使用で、ある状態や程度が以前よりも高まるさまを表します。この場合、「さらに」「ひときわ」「いっそう」といった意味で、程度や強度が増した状態や、ある行動を思い切って行う際の決意を示す際に用いられます。

例えば、「台風の接近で風雨が一層激しくなった」では、風雨の強さが以前よりも増したことを示しています。「一層消えてしまいたい」という表現は、何かに対する強い願望や決意を表す場合に使われ、ここでは「いっそのこと」という意味合いが強いです。

総じて、一層は物理的な重なり合いを示す場合と、何かの程度が増すさまや、ある行動に対する強い決意を表す際に用いられる言葉です。

例文

  1. 大雪の影響で、交通機関の遅延が一層深刻化した。
  2. 健康を意識して運動を始めたが、一層の努力で体調が大きく改善した。
  3. 今年の夏は例年になく暑く、冷房を使う頻度が一層増えた。
  4. 新しいプロジェクトに取り組むにあたり、チーム全員で一層の協力が求められる。
  5. 失敗を恐れずにチャレンジすることで、一層成長することができる。
  6. 最新技術の研究開発においては、一層の創造性と革新が必要だ。
  7. 試験に向けての勉強を重ねるうちに、一層の自信を持つようになった。
  8. 旅行から戻ってきて、日常生活のありがたみを一層感じるようになった。

「一掃」と「一層」の違い・使い分け

同音異義語の違い・使い分け

「一掃」と「一層」は日本語の表現であり、それぞれ異なる意味を持ちます。

一掃は、何かを完全に取り除くこと、または清掃することを意味します。これは物理的なものを除去する意味合いだけでなく、比喩的にも使われ、問題や障害、敵などを根本から解決し、完全になくすことを指します。

例えば、「敵を一掃した」や「暴力を一掃する」では、何かを徹底的に取り除く、排除する意味で使われます。

一方で、一層には二つの用途があります。名詞としては、物理的な重なり合いや、建物の階層などを指します。副詞としては、ある状態や程度が以前よりも高まるさまを表し、「さらに」「いっそう」といった意味で使われます。

例えば、「台風の接近で風雨が一層激しくなった」では、風雨の強さが前より増したことを示しています。

二字熟語の博士
総じて、「一掃」は何かを完全に除去する行為や状態を、一方「一層」は物理的な重なり合いや程度の増加を示す言葉として使い分けられます。
助手ねこ
これらの表現は、それぞれの文脈や状況に応じて適切に使い分ける必要があるんやで。
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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)



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