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「延引」と「遠因」の違い・使い分け!「えんいん」の同音異義語

同音異義語とは、発音は同じでも意味が異なる単語のことです。

これらの言葉は多くの言語に存在し、日本語においても例外ではありません。

同音異義語は、言語の多様性と進化の証であり、時には混乱を招くこともあります。

この記事では、延引」と「遠因」の意味の違いや文脈に応じた使い分けについてわかりやすく解説します。

同音異義語の理解を深めることで、言語の微妙なニュアンスをより豊かに感じ取ることができるでしょう。

延引(えんいん)の意味と使い方や例文

延引(えんいん)をイメージしたイラスト
延引 予定より遅れること、遅らせること
  • 「工事が延引する」
  • 「此戦争を暫く延引して貰いたい」
  • 「式典の開始が延引する」
意味

延引とは、物事が予定よりも遅れること、または遅らせることを指します。この言葉は、計画やイベント、工事などが元々定められた時期よりも後にずれ込む状況を表す際に用いられます。

例えば、工事の完成予定が遅れる、式典の開始時間が後ろに延びる、戦争の終結を意図的に遅らせるなどの場面で使われます。また、「延引」は「えんにん」とも読み、物事を意図的に先に延ばす、つまり延期する行為を意味することもあります。

これは、何らかの理由でスケジュールを調整し、予定されていた事柄を後の時点へと移すことを含みます。

例文

  1. プロジェクトの完了が延引し、チーム全員で対策を練る必要が出てきた。
  2. 大雨のため、列車の運行が延引され、多くの乗客が駅で足止めを食らった。
  3. 重要な会議の日程が延引することになり、参加者たちは再調整を余儀なくされた。
  4. 新商品の発売が延引され、市場への影響が懸念されている。

遠因(えんいん)の意味と使い方や例文

遠因(えんいん)をイメージしたイラスト
遠因 直接的でないが結果に関連する原因。
  • 「戦争の遠因
  • 「紛争の遠因
  • 「事件の遠因
意味

遠因とは、ある出来事や結果に至る原因の中で、直接的な影響を与えるわけではないが、間接的に関連し、その出来事や結果を引き起こす過程において何らかの役割を果たす事柄を指します。

この概念は、結果に至るまでの因果関係が複雑で、直接的な原因(近因)とは区別される点にあります。遠因は、より広範な背景や状況、歴史的な文脈など、結果の背後にある深い要因を示唆します。例えば、「戦争の遠因」と言った場合、その戦争が発生する直接的な引き金となった事件や事象ではなく、より長期間にわたる政治的、経済的、社会的な緊張関係や不満が積み重なっていったことを指すことが多いです。

同様に、「紛争の遠因」や「事件の遠因」も、それらが発生する直接的な理由以前に存在していた、より間接的な影響や背景を示しています。

例文

  1. 経済不況はその国の内乱の遠因となった。
  2. 自然災害の頻発は気候変動の遠因として認識されている。
  3. 社会的不平等は多くの犯罪の遠因とみなされている。

その他「えんいん」の同音異義語

【宴飲・讌飲】
【掩韻】
【援引】

「延引」と「遠因」の違い・使い分け

同音異義語の違い・使い分け

「延引」と「遠因」は異なる概念を表します。

延引は、何らかの事柄が予定より遅れる、または遅らせることを意味します。この言葉は、計画やイベント、工事などが予定通りに進まない場合に使用されます。

例えば、工事の遅延、式典の開始時間の延期、プロジェクトの完了予定の延長などが「延引」の具体例です。ここでのポイントは、予定されていた時間や日程が後ろにズレることです。

一方、遠因は、ある出来事や結果に至る間接的な原因を指します。これは直接的な影響を与えるわけではないが、結果に関連し、その出来事を引き起こす過程において何らかの役割を果たします。

例えば、戦争や紛争の背後にある長期的な政治的緊張、経済的問題、社会的不平等などが「遠因」にあたります。ここでの重点は、結果に至る複雑な因果関係の中の間接的要素です。

二字熟語の博士
要するに、「延引」は予定の遅れや延期を指し、「遠因」はある結果の背後にある間接的な原因を指します。
助手ねこ
これらの言葉は、それぞれの文脈に応じて使い分けられるべきやな。
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