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「厳重」の意味と使い方や例文!「厳格」「厳正」「厳密」との違いは?(類義語・対義語)

厳重の読み方・意味とは?(類義語・対義語)

意味

【二字熟語】
厳重

【読み方】
げんじゅう

【意味】
①おごそかなこと。いかめしいこと。
②きびしいこと。

二字熟語の博士
「厳重」という言葉には、二つの意味があるんだよ。一つ目は、物事がとてもおごそかで、いかめしく、格式があることを表しているんだ。

そして二つ目は、物事に対してとても厳しく、しっかりと注意を払っている状態を意味しているよ。

助手ねこ
へー、そうなんや。つまり、一つは「めっちゃおごそかで、どんと構えてる感じ」ってことやな。

もう一つは、「めちゃくちゃ厳しい目で見て、何も漏れないようにチェックしてる」ってことかいな。えらい堅い感じやねんな、この言葉は。

【語源・由来】
「厳」は「容赦がない。きびしい。」
「重」は「軽々しくしない。おもおもしい。」

【類義語】
沈重、厳格、大事

【対義語】
寛大

厳重(げんじゅう)の解説

カンタン!解説
解説

「厳重」という言葉はね、二つの意味があるんだよ。

まず一つ目は、「おごそかでいかめしい」という意味だよ。これは、とても荘厳で、重々しい感じのことを指すんだ。お寺や神社に行ったときのように、とても厳かで、おどろおどろしい雰囲気があることを「厳重な雰囲気」と言ったりするんだよ。例えば、「其の荘厳、微妙にして厳重なること限りなし」〈今昔・一・三一〉というのは、「その荘厳さは繊細で、厳重で、とても深い」ということを表しているんだ。

二つ目の意味は、「きびしいこと」だよ。これは、物事をとても厳しく、しっかりと行うことを意味しているんだ。たとえばね、「戸締まりを厳重にする」っていうときは、家のドアや窓をしっかりと閉めて、誰も入れないようにすること。「厳重な監視」は、人や場所をしっかり見守って、何も問題が起こらないように注意深く見ること。そして、「厳重に抗議する」っていうときは、何かが間違っていると思ったときに、そのことに対してしっかりと、強く反対の意見を言うことなんだ。

ちなみに、この「厳重」からは、「げんじゅうさ」という言葉も派生していて、これは「厳重」な様子を表す名詞なんだよ。たとえば、とても厳しい状況や態度を「げんじゅうさがある」と表現することができるんだ。

だから、「厳重」という言葉は、一つはとても荘厳で重々しい感じのこと、もう一つは物事をとても厳しく行うこと、という二つの意味を持っているんだね。

厳重(げんじゅう)の使い方

ともこ
最近空き巣が多いんですって。
健太
戸締りは厳重にしないといけないね。
ともこ
暑いからといって窓をうっかり開けっ放しで眠ったら大変なことになるわよ。
健太
空き巣のせいで窓も自由に開けることができないなんて迷惑な話だよ。

厳重(げんじゅう)の例文

例文
  1. 何を云うにも、男女の区別の厳重であった当時の武士階級のことである。(谷崎潤一郎、武州公秘話)
  2. 犯人の捜索は極めて秘密に、同時にこんな田舎にしては厳重に行われた。(有島武郎、カインの末裔)
  3. この辺は監視カメラが多い地域で、厳重に監視されている。
  4. 逮捕された健太くんは、厳重に捕縛された。
  5. 首相はSPに厳重に警護されていた。

厳重の文学作品などの用例

  1. ・・・浴室の窓や戸じまりを厳重にしたのもそのためである。しかし彼はそれ・・・ 芥川竜之介馬の脚

  2. ・・・窓かけはどれも厳重に「悠々荘」の内部を隠していた。が、ちょうど南・・・ 芥川竜之介悠々荘

  3. ・・・の婆め、君のまわりへ厳重に網を張っているらしいから、うっかりした・・・ 芥川竜之介妖婆

「厳重」と「厳格」「厳正」「厳密」との違いを解説

厳重」に似ている語に「厳格(げんかく)」「厳正(げんせい)」「厳密(げんみつ)」があります。

「厳重」と「厳格」の違いは?

厳格」は「きびしくただしいこと。規則をきびしく守り、いいかげんにしないこと。」という意味です。

厳重」も「厳格」も、あいまいなことを許さず非常に厳しいさまをいいます。

しかし「厳重」は、いい加減なことを許さないきびしい様子をいいます。

対して「厳格」は、主にしつけなどで、怠慢を許さないきびしい姿勢をいいます。

二字熟語の博士
「厳重」と「厳格」という言葉には、どちらも厳しいという意味があるけど、使われる場面やニュアンスに違いがあるんだよ。「厳重」は、何かをとても厳しく取り締まることや、状況を重く受け止めている様子を表すんだ。例えば、警備が厳重な場所とか、式典での厳かな雰囲気を指すよ。

一方で、「厳格」は、ルールや規則を非常に厳しく守ることを意味するんだ。ここでは、柔軟性を持たず、正確かつ厳密に物事を進める態度を示しているんだよ。

助手ねこ
おお、なるほどな。じゃあ、「厳重」ってのは、例えば空港のセキュリティーチェックみたいに、ガチガチに守りを固めてるみたいな感じやな。めっちゃ気をつけてる、ってことや。

でも、「厳格」は、ルールをガンガン守るってことやな。「ここは絶対にこうやるんやで!」って、ちゃんと正しくやるって決めてるんやろ?なるほどなぁ、似てるけど、使い方にちょっと違いがあるんやね。

「厳重」と「厳正」の違いは?

厳正」は、厳格で公正なことという意味です。

厳重」も「厳正」も、あいまいなことを許さず非常に厳しいさまをいいます。

しかし「厳重」は、いい加減なことを許さないきびしい様子をいいます。

対して「厳正」は、公正さを守るきびしいさまをいいます。

二字熟語の博士
「厳重」という言葉は、非常に厳しい様子やいかめしいことを表していて、物事を慎重に扱う様子を示しているんだ。例えば、警備が厳重と言われると、非常に慎重で手堅い保護や監視をしている状態を指すよ。

一方、「厳正」とは、ただ厳しいだけでなく、公平で正しいことも求められる状況を表しているんだ。つまり、ルールや法律を正しく公平に適用し、間違いや不正がないようにすることを意味しているよ。

助手ねこ
おお、そうかいな。「厳重」は、守りが固いとか、めっちゃ気を使ってるって感じやな。まるで、お金がいっぱい入った金庫をガードするようなもんやろ?

でも、「厳正」ってのは、ちゃんと公平に、みんなに平等に、正しいことをするってことか。裁判とかでよく言うやん、「公正に」って。そんな感じで、誰もが「これは公平やな」と思うように、ちゃんとしてるってわけやな。似てるけど、ちょっとニュアンスが違うんやね。

「厳重」と「厳密」の違いは?

厳密」は、こまかい点まで手落ちなくきびしく行うさまという意味です。

厳重」も「厳密」も、あいまいなことを許さず非常に厳しいさまをいいます。

しかし「厳重」は、いい加減なことを許さないきびしい様子をいいます。

対して「厳密」は、正確さを求めるきびしさをいいます。

二字熟語の博士
「厳重」と「厳密」は似ているけど、意味する内容が少し違うんだ。「厳重」とは、非常に厳しい態度やいかめしい状態を指す言葉で、しっかりと警戒したり、保護したりする様子を表しているんだ。たとえば、警備が厳重な場所では、非常に慎重な対策が取られていることを意味するよ。

一方で、「厳密」は、細かい点に至るまできびしく行うさまを表しているんだ。物事を非常に正確かつ慎重に取り扱う様子を示しているよ。

助手ねこ
あ~、わかるわかる。「厳重」ってのは、ものすごい警戒心を持って、何かをしっかり守ってるみたいな感じやな。「ここには近づかんといて!」って感じでガードしてるんやろ。

それにひきかえ、「厳密」ってのは、細かいところまでめっちゃ気を使って、ちゃんとやるってことやんな。例えば、研究とかでデータを厳密に扱うって言ったら、小さいところまでしっかりチェックしてるってことやろ?似てるけど、ちょっと違うんやな。

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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)



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