「慰留」と「遺留」の違い・使い分け！「いりゅう」の同音異義語

• 「辞表を出したが慰留された」
• 「辞職願を出した部下を慰留する」
• 「辞意を表明した会長を慰留する」
• 「委員長の辞任を慰留する」

慰留とは、誰かが辞めようとする時に、その人をなだめたり説得したりして、辞めることを思いとどまらせる行為を指します。

例えば、職場で辞表を提出した人がいた場合、その人の上司や同僚がその人の価値を認め、辞めないようにと話をすることが慰留にあたります。

この行為は、その人が持つ技能や経験、または人間関係の重要性を認識していることを示し、彼らが組織やグループにとどまることを望む心からの行動です。

1. 彼はプロジェクトからの離脱を宣言したが、チーム全員によって熱心に慰留された。
2. 彼女は異動の希望を提出したが、上司に慰留され、最終的にはその決断を再考することになった。
3. 研究室の主任が退職を考えていると聞き、学生たちは彼の豊富な知識と経験を失いたくない一心で慰留の手紙を書いた。
4. 社長が早期退職を検討しているという噂を聞いた社員たちは、彼のリーダーシップが不可欠であるとして、集まって慰留の意を表した。

• 「遺留品」
• 「犯行現場に証拠の品を遺留する」
• 「遺留分」

遺留という言葉は、大きく二つの意味を持っています。まず、一つ目の意味は、人が亡くなった後に残すもの、つまり遺品や遺産など、故人が生前に所有していた物品や価値あるものを後世に残す行為を指します。これには、具体的な物品だけでなく、故人の意志や記憶、そして文化的・精神的な遺産も含まれることがあります。

二つ目の意味は、物を置き忘れることを指し、これは文字通り、どこかに物品を忘れてきてしまうことを意味します。この場合、遺忘された物品は、後で見つかることもあれば、見つからないこともあります。この意味での「遺留」は、犯罪現場における証拠品を置き忘れるという文脈で使われることもあります。

言葉の用例としては、「遺留品」があり、これは忘れられた物品、または故人が残した物品のどちらか、またはその両方を指すことがあります。「犯行現場に証拠の品を遺留する」は犯罪捜査の文脈で使われ、犯人が現場に証拠となる物を残してしまった状況を表します。また、「遺留分」という言葉は、法律の文脈で使われ、故人の遺産分割において、一定の親族が受け取ることが保証されている最低限の遺産の割合を意味します。

要するに、遺留という言葉は、故人が残したものや、誰かがどこかに忘れたものという、物理的なものだけでなく、それに対する人々の行動や法的な意味合いを含む幅広い概念を表現しています。

1. 彼はホテルの部屋に財布を遺留してしまい、大慌てで戻ることになった。
2. 犯行現場に指紋が遺留されていたことから、容疑者を特定する手がかりとなった。
3. 故人が遺言で示した遺留分に従い、財産が分割されることになった。