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「一心」「一身」「一新」「一審」の違い・使い分け!「いっしん」の同音異義語

同音異義語とは、発音は同じでも意味が異なる単語のことです。

これらの言葉は多くの言語に存在し、日本語においても例外ではありません。

同音異義語は、言語の多様性と進化の証であり、時には混乱を招くこともあります。

この記事では、一心」「一身」「一新」「一審」の意味の違いや文脈に応じた使い分けについてわかりやすく解説します。

同音異義語の理解を深めることで、言語の微妙なニュアンスをより豊かに感じ取ることができるでしょう。

一心(いっしん)の意味と使い方や例文

一心(いっしん)をイメージしたイラスト
一心 心を一つに集中させること、または多くの人が心を合わせること。専念や唯一無二の心、全ての現象の根源としての心も指す。
  • 「子供を救い出そうという一心から身の危険も忘れる」
  • 「助かりたい一心で叫び続けた」
  • 「治りたい一心で養生する」
  • 一心称名」
  • 一心に勉強する」
  • 「留学したい一心で英語を勉強する」
  • 「怠けたい一心から仮病を使う」
意味

一心という言葉は、心を一つに集中することや、複数の人が心を合わせること、特定の事象に専念する心の状態を表します。これは物理的な心の状態ではなく、精神的な集中や一致、専念を指す抽象的な概念です。

具体的には、何かを強く望むときや、ある目標に向かって心を一点に集中させること、または複数の人が共通の目的や意志で心を一つにすることを指します。仏教の文脈では、一心はすべての現象の根源としての唯一絶対の心、あるいは真実の信心を意味することもあります。

日常生活では、何かを成し遂げたい、何かを強く願う、あるいは何かに専念する際の心の動きや意志の表現として用いられます。

例文

  1. 全ての困難を乗り越えようという一心で、彼は毎日深夜まで仕事を続けた。
  2. 家族を養う一心で、遠い海外で働くことを決心した。
  3. 健康を取り戻す一心で、日々の運動と食事に気を使い始めた。
  4. 一心不乱にピアノの練習に励み、ついにはコンクールで優勝することができた。
  5. 新しい技術を習得しようという一心で、夜遅くまでオンライン講座に参加している。
  6. 子供たちに良い教育を受けさせたい一心で、転職を決意した。
  7. 失われた友情を取り戻す一心で、長年の誤解を解くために努力した。

一身(いっしん)の意味と使い方や例文

一身(いっしん)をイメージしたイラスト
一身 個人の体や自分自身、自分の全てを意味する。
  • 一身を捧げる」
  • 一身を顧みず国家に尽くす」
  • 「厄介な問題を一身に引き受ける」
  • 「衆望を一身に集める」
  • 「責任を一身に負う」
  • 一身を賭(と)して事に当たる」
  • 「責任を一身に背負う」
  • 一身を芸道にささげる
意味

一身という言葉は、主に二つの意味で用いられます。まず、文字通りに解釈すると「一人の体」、つまり個人の全身や肉体を指します。この意味では、個々人の身体そのものをさす時に使われます。

もう一つの意味では、より象徴的または比喩的に、「自分自身」や「自分のすべて」を意味します。この解釈では、単に肉体だけでなく、その人の生命、精神、責任、願望、努力など、個人の全存在や全人格を包括します。

用例に見るように、「一身を捧げる」「一身を顧みず国家に尽くす」などの表現では、自分の生命や全存在を何かのために捧げる、つまり自分自身を全て賭けて何かを成し遂げようとする強い決意や献身を示します。ここでの一身は、単に身体だけを指すのではなく、自分自身の全てを示しており、その人の精神的な姿勢や生き方を表しています。

つまり、一身は個人の肉体を指すと同時に、その人の内面や人生における立場、責任感、献身など、より深い意味合いを持つ表現として使われます。

例文

  1. 彼女は社会のため、一身を捧げる決意を固めた。
  2. 救助隊員として、彼は災害時に一身を顧みず国家に尽くす勇気を示した。
  3. 新入社員が突然辞めたため、彼はその厄介な仕事を一身に引き受けることになった。
  4. 彼のリーダーシップは注目に値し、衆望を一身に集めることとなった。
  5. プロジェクトの失敗後、彼は全ての責任を一身に負う覚悟を示した。
  6. 彼女は彼の夢を実現するため、一身を賭して事に当たった。
  7. その小さなチームは大きなプロジェクトを成功させ、リーダーはその責任を一身に背負った。
  8. 若い音楽家は、自分の夢を追い求め、一身を芸道にささげる決心を新たにした。

一新(いっしん)の意味と使い方や例文

一新(いっしん)をイメージしたイラスト
一新 全てを新しくすること、また明治維新のことを指す。
  • 「人心を一新する」
  • 「明治の御一新
  • 「面目一新
  • 「人事の一新を図る」
  • 「面目を一新する」
  • 「気分が一する」
意味

一新という言葉は、全てを新しくすること、またはすっかり変わって新しい状態になることを意味します。これには物事の外面だけでなく、内面や構造を根本から変えるというニュアンスも含まれています。

例えば、人の心構えや考え方、組織の体制や人事、さらには社会全体のシステムなど、幅広い分野で使われます。また、「御一新」という形で用いられる場合は、明治維新を指すことがあります。これは日本の歴史上、幕末から明治時代への移行期に行われた大きな政治的、社会的変革を指す特別な例です。

用例に見られるように、一新は人や社会の刷新、新たなスタートを象徴する表現として用いられます。

例文

  1. 新しいプロジェクトを始めることで、チームの士気を一新することができた。
  2. 明治の御一新を学ぶことは、日本の近代化に対する理解を深めることに繋がる。
  3. 店内のレイアウトを変えることで、お客様に面目一新した印象を与えることが目指された。
  4. 新しい経営陣の下で、会社は人事の一新を図り、新たな方向性を模索している。
  5. 部屋の模様替えをすることで、毎日の生活に面目を一新することができた。
  6. 休暇を取って海外旅行に出かけた後、気分が一新し、仕事への意欲が高まった。
  7. 新しいロゴとブランドカラーの導入により、企業のイメージを面目を一新することに成功した。

一審(いっしん)の意味と使い方や例文

一審(いっしん)をイメージしたイラスト
一審 一審は訴訟を最初に受理する裁判所による審判で、通常は簡易裁判所や地方裁判所が行う。
  • 「第一審裁判所」
意味

一審とは、裁判のシステムにおいて、ある訴訟が最初に受理され、審理される裁判の段階を指します。これは、簡易裁判所や地方裁判所などの第一審裁判所によって行われるもので、裁判の過程における初めのステップとして位置づけられます。

訴訟が提起された際、この段階で事件の事実関係や法的な問題点が審理され、裁判所は判決を下します。この一審の判決に対して不服がある場合、当事者は上級裁判所への控訴を通じて、二審や三審といった上級審の審理を求めることができます。

例文

  1. 彼は交通事故に関する訴訟で、一審裁判所において過失の程度を争った。
  2. その著作権侵害の案件は、一審で原告の主張が全面的に認められ、被告に賠償金の支払いが命じられた。

「一心」「一身」「一新」「一審」の違い・使い分け

同音異義語の違い・使い分け

「一心」「一身」「一新」「一審」という言葉は、それぞれ異なる意味を持ち、使い分けが重要です。

一心とは、心を一つに集中させることや、多くの人が共通の目的で心を合わせることを指します。これは、何かに専念する心の状態や、ある目標に向かって全力を尽くす姿勢を表す言葉です。日常生活では、強い願望や目標達成への集中力を示す際に用いられます。

一身は個人の体や自分自身、自分の全てを意味する言葉です。これは個人の肉体だけでなく、その人の生命、精神、責任、願望、努力など、個人の全存在や全人格を包括する表現として使われます。

特に、自分自身を何かのために捧げる、全てを賭けて何かを成し遂げようとする献身や決意を表す際に用いられます。

一新は全てを新しくすること、またはすっかり変わって新しい状態になることを意味します。これは物事の外面だけでなく、内面や構造を根本から変えるというニュアンスも含みます。

組織の体制、人事、社会のシステムなど、様々な分野で使われ、刷新や新たなスタートを象徴する表現として用いられます。

一審は訴訟を最初に受理する裁判所による審判を指し、簡易裁判所や地方裁判所が行うことが多いです。裁判のシステムにおいて、訴訟が最初に受理され、審理される裁判の段階を指します。

一審の判決に対して不服がある場合、控訴を通じて上級審の審理を求めることができます。

二字熟語の博士
これらの言葉は、それぞれ異なる文脈で使用されます。
助手ねこ
具体的なシチュエーションに応じて使い分ける必要があるんやな。