読み方で悩みやすい漢字の一つに、「苦汁」があります。
Q「苦汁」、あなたはこの二字熟語を何と読みますか?
次の3択から選んでみて下さい。
- 「くじゅう」
- 「にがり」
- 「くじゅう」と「にがり」両方とも
このページでは、悩みやすい「苦汁」の読み方や意味について詳しく解説していきます。
「苦汁」の読み方は、「くじゅう」?「にがり」?
苦汁の正しい読み方は、「くじゅう」「にがり」どちらなのでしょうか。
漢字から察すると「くじゅう」が正しそうですが、「にがり」にも聞き覚えはありそうですね。
「苦」の音読みは「ク」、訓読みは「くる(しい・しむ・しめる)」「にが(い・る)」表外読みとして「にがな」「はなは(だ)」となります。
一方「汁」の音読みは「ジュウ」表外読みとして「シュウ」、訓読みは「しる」表外読みとして「つゆ」となります。
このことから「くじゅう」は正しそうですが、「にがり」はどうなのでしょうか。
結論を言ってしまうと、苦汁の読み方は「くじゅう」「にがり」どちらも間違いではありません。
つまり、答えとしては3つ目の「両方とも」ということになります。
ただし、苦汁は一般的には「くじゅう」と読まれることが多いようです。
また、「くじゅう」と「にがり」で読む場合に、それぞれで意味が異なります。
さて「くじゅう」は理解できるものの、何故苦汁を「にがり」と読むのでしょうか?
実はこれ、熟字を訓読みにする熟字訓と呼ばれるものです。
訓読みが漢字を日本語として意味が通じるように読ませるように、熟字訓とは熟語に対して日本語の意味が通じる読み方で読ませたものです。
簡単にいってしまえば、一つの熟語に対して訓読みをしているということですね。
他にも今日(きょう)明日(あした)昨日(きのう)等様々な熟字訓があります。
「苦汁」の意味は、「くじゅう」と「にがり」で違う!
苦汁の意味としては「くじゅう」と「にがり」でそれぞれ異なります。
まず「くじゅう」ですが、「苦い汁。そこから、苦しみや苦い経験」の意味となります。
一方「にがり」の場合には、「海水を煮つめ製塩した後に残る液」「貯蔵中の粗塩が湿気を吸い、分離する苦みのある液」の意味となります。
※「にがり」は豆腐を固める際によく使われる成分です。
「くじゅう」と「にがり」ではこのような違いがあるのですね。
苦汁を使った例文として「苦汁(くじゅう)をなめる」(苦い経験をする)などがあります。
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まとめ
- 苦汁の読み方は「くじゅう」「にがり」どちらも正しい。
- 「くじゅう」「にがり」で読む場合に、それぞれ意味が異なる。
- 「くじゅう」は「苦い汁。そこから、苦しみや苦い経験」の意である。
- 「にがり」は「海水を煮つめ製塩した後に残る液」の意である。