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「音便」と「穏便」の違い・使い分け!「おんびん」の同音異義語

同音異義語とは、発音は同じでも意味が異なる単語のことです。

これらの言葉は多くの言語に存在し、日本語においても例外ではありません。

同音異義語は、言語の多様性と進化の証であり、時には混乱を招くこともあります。

この記事では、音便」と「穏便」の意味の違いや文脈に応じた使い分けについてわかりやすく解説します。

同音異義語の理解を深めることで、言語の微妙なニュアンスをより豊かに感じ取ることができるでしょう。

音便(おんびん)の意味と使い方や例文

音便(おんびん)をイメージしたイラスト
音便 発音しやすさから単語の中や末尾の音が変わる現象で、イ音便、ウ音便、撥音便、促音便の4種類がある。
  • 音便化」
意味

音便は、日本語の発音をしやすくするために、単語の中や最後の音が他の音に変化する現象を指します。この変化は、言葉を話す上での便宜を図るために自然に起こり、語中や語尾の音が省略されたり、別の音に変わったりします。音便には主に四つの種類があります:イ音便、ウ音便、撥音便、促音便です。

  • イ音便は、ある音節が「い」音に変わることで、例えば「咲きて」が「咲いて」となるような変化です。
  • ウ音便では、「う」音に変化し、「早く」が「早う」のように発音されます。
  • 撥音便は、「ん」の音に変わり、「飛びて」が「飛んで」となります。
  • 促音便は、音節が促音(小さい「つ」が示す短い停止音)に変化し、「知りて」が「知って」となる変化です。

これらの音の変化は、話しやすさや流暢さを促すために自然に生じるもので、日本語の音韻学における重要な特徴の一つです。

例文

  1. 「待って」は、「待ちて」が促音便化した例です。本来の形「待ちて」が、発音しやすさを求めて「待って」と変化しました。
  2. 「行って」は、「行きて」がイ音便化した例です。「行きて」が発音上の便宜を求めて「行って」という形に変わりました。

穏便(おんびん)の意味と使い方や例文

穏便(おんびん)をイメージしたイラスト
穏便 物事をおだやかにかど立てずに行うことや、手軽で都合の良いさまを指す。
  • 穏便な処置」
  • 穏便にすます」
  • 穏便に事を運ぶ」
  • 穏便のところに坐禅す」
  • 「事を穏便にすます」
意味

穏便という言葉は、主に物事をおだやかに、かどだたずに処理する様子を指します。この用語は、特に事件や問題を扱う際に内々で、表立たない方法で対応することを意味することが多いです。

また、手軽で都合がよいという意味も含まれています。つまり、穏便は、事を大ごとにせず、スムーズかつ柔軟に解決しようとする姿勢や方法を表す言葉なのです。

例文

  1. 紛争を避けるため、双方は穏便な話し合いを通じて問題を解決しようと努めた。
  2. 社内の小さな誤解を穏便に処理することで、職場の雰囲気が大きく改善された。

「音便」と「穏便」の違い・使い分け

同音異義語の違い・使い分け

「音便」と「穏便」は全く異なる概念を表します。

音便は言語学的な現象で、日本語の発音を容易にするために単語の中間や末尾の音が自然に変化することを指します。

これにはイ音便、ウ音便、撥音便、促音便の四種類があり、例えば「待ちて」が「待って」に変化するのは促音便の一例です。これは、話しやすさや流暢さを促すための自然な現象です。

一方で、穏便は物事の取り扱い方や態度を指す言葉で、特に事件や問題を静かに、目立たない方法で解決しようとする様子を表します。これは、物事を大ごとにせずに、スムーズかつ柔軟に処理しようとする姿勢や方法を意味しています。

たとえば、小さな誤解を穏便に処理することで職場の雰囲気が改善されることがあります。

二字熟語の博士
簡単に言うと、音便は日本語の発音の変化に関するものです。
助手ねこ
また、穏便は問題や事態の扱い方に関するものやで。