【二字熟語】
茫然
【読み方】
ぼうぜん
【意味】
①広大なさま。また、とりとめのないさま。判然としないさま。
②呆然に同じ。
【語源・由来】
「茫」は「はっきりしない。ぼんやりした。」
「然」は「他の語に付けて状態を表す語。」
【類義語】
放心、唖然、呆気、油断、散漫、漫然、絶句
茫然(ぼうぜん)の使い方
昨日の地震はすごかったわね。
亀の姿勢から立ち上がって家の中を見回した時、呆然としてしまったよ。
家の中がそんなにぐちゃぐちゃになったの?戸棚にはストッパーを付けないとだめよ。
今回身をもって、防災の大事さを知ったよ。
茫然(ぼうぜん)の例文
- 彼はこのフランスの提督が、少し疲れて茫然としているのに気がついた。(アレクサンドル・デュマ 鉄仮面 下)
- 医師からの最悪の場合は余命1年という宣告に茫然自失となる。
- 買ったその日に自転車を盗まれ茫然とした。
- 髪剃は障子に篏め込んだ硝子に中ってその一部分を摧いて向う側の縁に落ちた。細君は茫然として夢でも見ている人のように一口も物をいわなかった。(夏目漱石、道草)
- 戦場で残虐行為を目にした子供たちは、茫然自失で心も耳も口も閉ざしてしまっている。
「茫然自失」とは?
「茫然」を用いた表現の一つに「茫然自失(ぼうぜんじしつ)」があります。
「茫然自失」とは、
①驚きのあまり、あっけにとられて、我を忘れること。
②何かに心を奪われて、ぼんやりとして気が抜けるようす。
という意味です。
「自失」は、我を忘れるという意味です。
出典は、「子貢呆然として自失し、家に帰りて淫思すること七日。(列子、仲尼)」です。
【類義語】
- その事件で大きなショックを受けた彼は、しばらく茫然自失として過ごした。
- 日本に帰って半年ばかりの間、殆ど茫然自失の状態にあったというある知人の言葉も彼の胸に浮んだ。(島崎藤村、新生)