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「遺志」「意思」「意志」「医師」の違い・使い分け!「いし」の同音異義語

「いし」の同音異義語

同音異義語とは、発音は同じでも意味が異なる単語のことです。

これらの言葉は多くの言語に存在し、日本語においても例外ではありません。

同音異義語は、言語の多様性と進化の証であり、時には混乱を招くこともあります。

この記事では、遺志」「意思」「意志」「医師」の意味の違いや文脈に応じた使い分けについてわかりやすく解説します。

同音異義語の理解を深めることで、言語の微妙なニュアンスをより豊かに感じ取ることができるでしょう。

遺志(いし)の意味と使い方や例文

遺志(いし)をイメージしたイラスト
遺志 亡くなった人が生前持っていた心ざしや願い。
  • 遺志をつぐ」
  • 「先生の遺志を継ぐ」
意味

遺志とは、亡くなった人が生前に持っていた願いや目標、心に描いていた理想や目指していたことです。

この言葉は、故人が生きている間に成し遂げることができなかった願いや目標を、生きている人々が引き継ぎ、実現しようとする意志を示す際によく用いられます。

遺志を継ぐとは、故人の意志を理解し、その意志に基づいて行動することを意味します。

例文

  1. 彼女は故人の遺志を継ぎ、世界中の子供たちに教育の機会を提供するための基金を設立した。
  2. 父の遺志を受け継ぎ、私たちは自然保護活動にさらに力を入れることに決めた。

意思(いし)の意味と使い方や例文

意思(いし)をイメージしたイラスト
意思 心に思うことや、ある意図を持って行動する基になる考え。法律用語では、民法で行動の原因となる心理作用や意欲、刑法で行為への認識や犯意を指す。
  • 意思表示」
  • 意思の疎通をはかる」
  • 「撤回する意思はない」
  • 「隣人と意思を通じ合う」
  • 「賛成の意思を表示する」
  • 意思表示」
意味

意思という言葉は、心の中にある考えや、何かをしようとする意図、具体的には行動を起こす前の思いや意向を指します。

これは個人の内面における意図や決意を表すもので、特に意図を持って何か行動を行うときの基礎となる考え方や見解を意味します。法律の文脈では、民法では法律上の効果を生み出すための意欲や、行動の直接的な原因となる心理作用を指し、刑法では自分の行為に対する認識や、場合によっては犯罪を犯す意図として解釈されます。

日常生活や法的文脈で使われる際には、自らの意志や意向を示す行為、つまり「意思表示」や、他者との意見の交換、合意形成などにも関連します。簡単に言えば、意思は個人の内心の動き、特に何かをしようとする前の考えや決断、そしてそのような考えを外部に示す行為や、法的な効果を意図する心理的な動機を指す言葉です。

例文

  1. プロジェクト会議で、彼は自分の意思表示をはっきりと行い、チーム全体の方向性に影響を与えた。
  2. 新しいプロジェクトに取り組む際、チームメンバー間で意思の疎通をはかることが重要だと彼女は強調した。
  3. 会社の方針変更について、彼は撤回する意思はないと明言した。
  4. 新入社員は、隣人と意思を通じ合うことで、地域社会にすぐに溶け込むことができた。
  5. 総会で、多くのメンバーが賛成の意思を表示し、新しい提案が承認された。
  6. 問題が発生した際には、速やかに意思表示を行い、解決に向けてのステップを踏むことが大切だ。

意志(いし)の意味と使い方や例文

意志(いし)をイメージしたイラスト
意志 道徳的な選択や行動を決心して実行する能力、あるいは積極的な心の状態を指し、哲学や心理学では自発的で意識的な行動を促す内的意欲とされる。また、言語表現では話し手の実現意向を示す。
  • 意志を固める」
  • 意志薄弱」
  • 意志の強い人」
  • 意志の力でやりとげる」
  • 「参加する意志がある」
  • 「こちらの意志が通じる」
  • 意志を貫く」
  • 意志強固」
意味

意志とは、個人や集団が特定の行動を取る際に、それを自ら決め、意識的に行動を起こし、維持する精神の力のことです。

この概念は、道徳的な価値判断を行う能力、目的を持って意識的に行動を起こす意欲、そしてそれを実現しようとする積極的な心の動きを含みます。意志は知識や感情とは異なるものとされ、時にはこれらと対立することもあると考えられています。

哲学では、意志は個人の道徳的価値評価の主体であり、自発的で意識的な行動を促す内的意欲として捉えられます。心理学では、目的的行動を生じさせそれを統制する心的過程として定義され、反射的や本能的な行動と区別されます。

意志は「意志を固める」「意志薄弱」「意志の強い人」といった表現で用いられ、何かを成し遂げようとする強い気持ちや、その過程で示される精神の強さを示します。また、話し手が何かを実現させようとする意向を示す際に、助動詞「う・よう」を用いるなど、言語表現においてもその意向を表す手段となっています。

法律用語では意思という言葉が使われることが多く、こちらは思いや考えを重視した用語ですが、哲学や心理学では意志という語が一般的に用いられ、意識的な決断や行動の背後にある精神的な力を指しています。

例文

  1. 新しいプロジェクトに挑戦するため、彼女は意志を固めた。
  2. 彼は意志薄弱なため、簡単に他人の影響を受けてしまう。
  3. 意志の強い人は、困難に直面しても決して諦めない。
  4. 難しい試験を意志の力でやりとげることができた。
  5. 私はこのコンテストに参加する意志がある。
  6. コミュニケーションの不足が原因で、こちらの意志が通じなかった。
  7. 彼女は自分の信念に基づき、意志を貫いた。
  8. 意志強固な態度で、彼はすべての障害を乗り越えた。

医師(いし)の意味と使い方や例文

医師(いし)をイメージしたイラスト
医師 病気の診察・治療を職業とする資格を持った人。
  • 医師会」
意味

医師とは、病気の診察や治療を仕事とする、所定の資格を持った人を指します。

歴史的には、律令制や江戸幕府で医療を担当した職員や、医術を施す知識を持つ公家や僧侶も含まれますが、現代では医師法に基づいて認められた専門職を意味し、歯科医師や獣医師は含まれません。

例文

  1. 医師会は、地域の医療サービス向上を目指して定期的に会議を開催している。
  2. あの病院の医師は、最新の医療技術に精通しており、多くの患者から信頼を得ている。

「遺志」「意思」「意志」「医師」の違い・使い分け

同音異義語の違い・使い分け

「遺志」、「意思」、「意志」、そして「医師」という言葉は、それぞれ異なる意味を持ち、特定の文脈で使用されます。これらの言葉の違いを理解することは、適切なコミュニケーションにおいて重要です。

遺志とは亡くなった人が生前に持っていた願いや目標を指し、生きている人々がそれを引き継ぎ、実現しようとする意志を示す言葉です。

一方、意思は個人の内心の動き、特に何かをしようとする前の考えや決断、そしてそのような考えを外部に示す行為や、法的な効果を意図する心理的な動機を指します。

これに対して意志は、個人や集団が特定の行動を取る際に、それを自ら決め、意識的に行動を起こし、維持する精神の力を指し、道徳的な価値判断を行う能力や、目的を持って意識的に行動を起こす意欲を含みます。

そして医師は、病気の診察や治療を仕事とする、所定の資格を持った人を指す職業的な用語です。

二字熟語の博士
これらの言葉は、それぞれ異なる文脈で使用されることが多く、各々が持つ特定の意味や用途に基づいて適切に使い分けることが重要です。
助手ねこ
例えば、「遺志」は故人の意向を受け継ぐ際、「意思」は意見の交換や合意形成の文脈で、「意志」は個人の決断や積極的な行動を示す際、そして「医師」は医療の専門家としての役割を指す際に使用されるんやで。
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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)



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