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「一端」と「一旦」の違い・使い分け!「いったん」の同音異義語

「いったん」の同音異義語

同音異義語とは、発音は同じでも意味が異なる単語のことです。

これらの言葉は多くの言語に存在し、日本語においても例外ではありません。

同音異義語は、言語の多様性と進化の証であり、時には混乱を招くこともあります。

この記事では、一端」と「一旦」の意味の違いや文脈に応じた使い分けについてわかりやすく解説します。

同音異義語の理解を深めることで、言語の微妙なニュアンスをより豊かに感じ取ることができるでしょう。

一端(いったん)の意味と使い方や例文

一端(いったん)をイメージしたイラスト
一端 一時的に中断するさまや、ひとたび行うと重要な結果をもたらす行為を表す副詞。元々は「一朝」と同じ意味で、「旦」は朝を意味する。
  • 「所信の一端を申し上げる」
  • 「ロープの一端をにぎる」
  • 「抱負の一端を述べる」
  • 「私生活の一端がうかがえる」
  • 「思いの一端を述べる」
  • 「竹ざおの一端を切断する」
意味

一端という言葉は、主に二つの意味で使われます。一つ目は「一方の端」や「片端」という意味で、物の端っこや一部分を指す際に使用します。

例えば、「ロープの一端をにぎる」という表現では、ロープの片方の端を持つことを意味しています。二つ目の意味は、ある物事や状況、考えなどの「一部分」を示す際に用いられます。

この場合、「所信の一端を申し上げる」のように、自分の考えや意見、抱負などの一部分を述べるという意味合いになります。どちらの意味も、全体の中の一部や端を示す表現として広く使われています。

例文

  1. 新しいプロジェクトについての計画の一端をチームに共有しました。
  2. この古い地図は、かつての都市の様子の一端を示しています。
  3. 彼は自分の研究成果の一端を国際会議で発表した。
  4. 彼女は日記を通して、自分の心の内の一端を綴っている。
  5. 山頂から見える景色は、自然の美しさの一端を表している。
  6. 彼はその手紙を読んで、事件の背後にある事実の一端を理解した。

一旦(いったん)の意味と使い方や例文

一旦(いったん)をイメージしたイラスト
一旦 一方の端や一部分を意味し、成人の衣料に必要な布量も指す。
  • 一旦は中止と決まっていた」
  • 一旦泣き出したらなかなか泣きやまない」
  • 一旦休憩にします」
  • 一旦は移転も考えた」
  • 一旦停止」
  • 一旦言い出したら、きかない」
  • 一旦は廃業も考えた」
  • 一旦決定した方針は変更できない」
  • 一旦言い出したら、絶対に引かない」
  • 一旦決心したからには最後までやれ」
  • 「議員は一旦落ちたらただの人だ」
  • 一旦家へ帰って出直す」
  • 「道は一旦海辺に出てまた山に入る」
  • 一旦怒りだすと、手がつけられない」
  • 一旦家に戻って出直そう」
  • 「道に迷ったら一旦大通りに出るとよい」
  • 「ここは一旦退く手だ」
意味

一旦という言葉は、日本語でさまざまな文脈で使用され、主に二つの基本的な意味合いを持っています。

最初の意味は、何かを一時的に停止または中断することを指し、通常はその後に再開することを前提としています。これは、行動や進行中の事柄が一時的に止まることを意味し、その間に他の行動を取るか、状況を評価する時間を提供します。例えば、「一旦休憩にします」や「一旦家に戻って出直そう」といった表現でこの意味が使われます。

二つ目の意味は、ある行為が一度行われた場合、重要な結果や変化をもたらすことを指します。これは、「ひとたび」や「いちど」と同様の使い方で、一度何かが始まれば、その影響が続くことを示しています。この意味では、決断や行動が重要な結果に直結していることを強調し、「一旦決心したからには最後までやれ」や「一旦言い出したら、絶対に引かない」といった表現で見ることができます。

この言葉は、日常会話や書き言葉の中で広く使われ、状況に応じてそのニュアンスが微妙に異なります。しかし、基本的には「一時的に停止すること」または「一度行われたら重要な結果をもたらすこと」という二つの主要な意味を持つことを理解していれば、様々な文脈での使用を把握することができます。

例文

  1. 一旦はプロジェクトを保留にすることにした。
  2. 彼女が一旦話し始めると、夜遅くまで続くことがよくある。
  3. 昼食後は一旦休憩して、午後からまた作業を再開しよう。
  4. 新しいアイデアを考えたが、一旦は棚上げにした。
  5. 交差点では一旦停止を確実にしましょう。
  6. 一旦その話をした以上、後には引けない。
  7. 事業の方向性について、一旦閉鎖も視野に入れた。
  8. 会議で一旦決定したことは、軽々に変更しない方が良い。
  9. 彼は一旦約束すると、どんな困難があっても守る。
  10. 目標に向かって一旦踏み出したら、最後まで頑張るべきだ。
  11. 一旦政治家を辞めると、再び注目されるのは難しい。
  12. 家に忘れ物をしてしまったので、一旦戻ることにする。
  13. この道は一旦海岸線に出て、また山道に入る不思議なルートだ。
  14. 彼が一旦機嫌を損ねると、なかなか元に戻らない。
  15. 急用が入ったので、一旦オフィスに戻ります。
  16. 迷った時は、一旦立ち止まって方向を確認することが大切。
  17. この状況では、一旦撤退して状況を見直すのが賢明だろう。

「一端」と「一旦」の違い・使い分け

同音異義語の違い・使い分け

「一端」と「一旦」は似ているが異なる意味を持つ表現です。

一端とは、物事の「一方の端」や「片端」を指す言葉です。物理的なものの端部分、あるいは物事や考えの一部分を示す際に使われます。

たとえば、「ロープの一端をにぎる」では、ロープの片方の端を持つことを意味し、「所信の一端を申し上げる」では、考えや意見の一部分を述べることを示します。この用法では、全体の中の一部や端を強調する意味で使われます。

一方、一旦とは、「一時的に中断する」さまや、あるいは「ひとたび行うと重要な結果をもたらす」行為を表す副詞です。この言葉は、何かが一時的に止まることや、一度何かが始まればその影響が続くことを意味します。

例えば、「一旦休憩にします」は一時的な休止を、また「一旦決心したからには最後までやれ」は一度の決心が重要な結果をもたらすことを示します。

二字熟語の博士
つまり、「一端」は物理的な端や部分、または考えや意見の一部を指すのに対し、「一旦」は行動や事象の一時的な中断、または一度の行為による重大な結果を意味するのに使われる点で異なります。
助手ねこ
これらの表現はそれぞれ独特の文脈や状況に応じて使い分けられるんやで。
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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)



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