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「異様」「威容・偉容」の違い・使い分け!「いよう」の同音異義語

「いよう」の同音異義語

同音異義語とは、発音は同じでも意味が異なる単語のことです。

これらの言葉は多くの言語に存在し、日本語においても例外ではありません。

同音異義語は、言語の多様性と進化の証であり、時には混乱を招くこともあります。

この記事では、異様」「威容偉容」の意味の違いや文脈に応じた使い分けについてわかりやすく解説します。

同音異義語の理解を深めることで、言語の微妙なニュアンスをより豊かに感じ取ることができるでしょう。

異様(いよう)の意味と使い方や例文

異様(いよう)をイメージしたイラスト
異様 普通と異なり変わった様子を指す。
  • 「一種異様な雰囲気」
  • 「音が異様に反響する」
  • 異様な風体の男」
  • 異様な雰囲気」
  • 異様に輝く目」
  • 異様な光景」
  • 「目が異様に輝く」
意味

異様という言葉は、普通や一般的な状態とは異なる様子を指します。これは見た目、感じ、あるいは振る舞いが通常とはかけ離れていることを意味し、しばしば目立つか、異質な印象を与えることを示します。

この言葉は、特定の状況や物、人物の外見や雰囲気が普段とは異なり、通常の範疇に収まらない特徴を持っていることを表現するのに用いられます。例えば、「一種異様な雰囲気」では、その場の空気が通常とは異なっており、何か普通ではない要素があることを示します。

「異様に輝く目」は、人の目が通常とは異なる方法で光っている様子を表し、それが特異または目を引く理由となっています。したがって、異様という表現は、何かが標準的な枠組みや期待から逸脱していると感じられる際に適用されます。

例文

  1. 夜の公園では、霧が異様に濃く立ち込め、何か不思議な存在が潜んでいるような気がした。
  2. 廃墟となったビルの中から、異様に歪んだ影が突然現れ、私をじっと見つめている。
  3. 古い洋館の窓から見える月の光が異様に青白く、幽霊が出るかのような気配を感じさせた。
  4. 静まり返った森の中で、一本だけ異様に曲がった木が立っており、不気味な雰囲気を醸し出していた。
  5. 人気のない路地を歩いていると、背後から異様な足音が聞こえてきて、誰かに追われているような恐怖を感じた。
  6. 突然空が異様に暗くなり、太陽が隠れたかと思うと、不自然な赤色に染まり始めた。
  7. 会議室に入ると、全員の目が異様に光り、何か秘密を共有しているかのような緊張感が漂っていた。

威容・偉容(いよう)の意味と使い方や例文

威容・偉容(いよう)をイメージしたイラスト
威容・偉容 威厳があり立派な姿を指す。
  • 「富岳の威容
  • 威容を誇る高層建築」
  • 威容を誇る高層ビル」
  • 威容を誇る大聖堂」
  • 威容を誇る霊峰富士」
  • 「王者の威容を保つ」
意味

威容とは、威厳があり、堂々とした立派な姿や様子を指します。この言葉は、人物だけでなく、建築物や自然の風景に対しても使われることがあります。

その中で、人や物の外見がただ美しいだけでなく、見る者に強い印象や敬意を引き起こすような力強さや格調高さを持っていることを表現します。たとえば、「富岳(富士山)の威容」では、富士山が持つ壮大で威厳ある美しさが強調されています。同様に、高層ビルや大聖堂が「威容を誇る」と表現される場合、それらの建築物が周囲の環境に対して圧倒的な存在感や威厳を放っている様子を言い表しています。

また、「王者の威容を保つ」という用法では、王者が持つべき威厳や権威、貫禄が維持されていることを意味します。

例文

  1. 古城の威容が、月明かりの下でさらに神秘的に映えていた。
  2. 戦艦の威容が、港に接岸する際に周囲の人々に強烈な印象を与えた。
  3. 山脈の威容が、遠くからでも圧倒的な存在感を放っていた。
  4. 彼の立つ姿は王者の威容を保ち、人々を魅了してやまない。
  5. 大自然の中で、巨木の威容が森の王者であることを物語っていた。
  6. 歴史ある寺院の威容が、訪れる者に深い敬意を感じさせた。

「異様」「威容・偉容」の違い・使い分け

同音異義語の違い・使い分け

「異様」と「威容・偉容」という言葉は、それぞれ全く異なる意味合いを持ち、異なる文脈で使用されます。

異様は普通や一般的な状態とは異なる、変わった様子や印象を指します。これは見た目、感じ、振る舞いが通常とは異なり、目立つか異質な印象を与えることを示します。

例えば、「一種異様な雰囲気」は普段と異なる、何か普通ではない要素があることを示し、「異様に輝く目」は人の目が通常とは異なる方法で光っている様子を表します。異様なものは、しばしば不思議や神秘的、時には不気味な感じを与えることがあります。

一方で威容・偉容は威厳があり、堂々とした立派な姿や様子を指します。これは人物だけでなく、建築物や自然の風景に対しても使われ、ただ美しいだけでなく、見る者に強い印象や敬意を引き起こすような力強さや格調高さを持っていることを表します。

例えば、「富岳の威容」は富士山の壮大で威厳ある美しさを、また「威容を誇る高層ビル」はその建築物の圧倒的な存在感や威厳を表しています。

二字熟語の博士
簡単に言うと、「異様」は普通とは違う、時には不思議や不気味な印象を与える様子を、一方「威容・偉容」は威厳や堂々とした立派な姿を表す言葉です。
助手ねこ
これらの言葉は、それぞれが持つ独特の意味と感情的なニュアンスを理解することで、適切な文脈で使用することができるんやな。
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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)



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