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「圧巻」と「悪漢」の違い・使い分け!「あっかん」の同音異義語

「あっかん」の同音異義語

同音異義語とは、発音は同じでも意味が異なる単語のことです。

これらの言葉は多くの言語に存在し、日本語においても例外ではありません。

同音異義語は、言語の多様性と進化の証であり、時には混乱を招くこともあります。

この記事では、圧巻」と「悪漢」の意味の違いや文脈に応じた使い分けについてわかりやすく解説します。

同音異義語の理解を深めることで、言語の微妙なニュアンスをより豊かに感じ取ることができるでしょう。

圧巻(あっかん)の意味と使い方や例文

圧巻(あっかん)をイメージしたイラスト
圧巻 圧巻は、書物や催し物などで一番すぐれている部分を指す。この言葉は、昔の中国の官吏登用試験で最優等の答案を他の上に置いたことに由来する。
  • 「この作品が、出品中の圧巻だ」
  • 「ラストシーンが圧巻だった」
  • 「恋人との別離の場面は圧巻だ」
  •  「終楽章のカデンツァの部分が圧巻だ」
  • 「とりわけ彼の研究発表が圧巻だった」
意味圧巻という言葉は、何かの全体の中で最も優れた部分や、群を抜いて印象的である箇所を指します。この表現は、元々は古代中国の官吏登用試験において、最も優秀な答案を他の答案の一番上に置いたことに由来しています。

本や劇、楽曲など様々な作品の中で、特に際立って素晴らしいと感じられる部分を表現するのに用いられます。例えば、映画の最後のシーンが非常に感動的だったり、楽曲の特定のパートが聴衆を圧倒したり、ある学術的な発表が他の発表と比べて際立っていたりする場合に「圧巻」と評されます。

この用法は、その部分が全体の中で最も印象深く、記憶に残るものとして認識されることを意味します。ただし、「圧巻する」という使い方は誤用であり、正しくは「圧倒する」や「席巻する」などの表現が適切です。

例文

  1. その映画のクライマックスは、観客全員を息をのむほどの圧巻だった。
  2. 展覧会で一番の注目作品は、その絵画で、まさに圧巻の一言に尽きる。
  3. 彼女の演技は全編を通じて素晴らしいが、特に最終シーンは圧巻だ。
  4. 新製品発表会でのプレゼンテーションは、その革新性で圧巻の評価を受けた。
  5. コンサートの最後に演奏された曲は、その技巧と情熱で聴衆に圧巻の体験を提供した。
  6. 彼の論文発表は、その洞察の深さと明快な説明で、会議中の圧巻だった。

悪漢(あっかん)の意味と使い方や例文

悪漢(あっかん)をイメージしたイラスト
悪漢 悪漢は悪事をする男、悪党。
  • 悪漢小説」
意味

悪漢という言葉は、悪いことをする男性、つまり犯罪や不正を行う人物を指します。

この用語は、一般に道徳や法律に反する行為を働く男性に対して用いられ、しばしば物語や「悪漢小説」などの文脈で登場するキャラクターを表すのに使用されます。

ここでの「悪党」や「悪者」といった言葉も同様に、社会的に受け入れられない行動をとる人物を示すために使われます。

例文

  1. この町には、夜な夜な悪漢が現れ、人々を脅かしているという噂が絶えない。
  2. 悪漢小説の主人公は、表向きは立派な商人を装いながら、裏では数々の悪事を働いていた。

「圧巻」と「悪漢」の違い・使い分け

同音異義語の違い・使い分け

「圧巻」と「悪漢」という言葉は、全く異なる意味を持つ言葉で、それぞれの用途が大きく異なります。

圧巻は、何かの全体の中で最も優れた部分や、特に印象深い箇所を指します。これは、本や映画、演劇、音楽作品などにおいて、他の部分よりも特に際立って素晴らしいとされる部分を示すのに使われます。

例えば、映画のクライマックスシーンやコンサートの終演曲、学術発表の中で最も洞察に満ちた部分などが「圧巻」と評されることがあります。この言葉の使い方は、特定の部分が全体の中で特に記憶に残るものとして強調するために用いられます。

一方で、悪漢は、道徳的にまたは法的に受け入れられない行動をとる男性を指す言葉です。この用語は、犯罪者や不正行為を行う人物を指すのに使われ、しばしば物語や小説の中で悪役として描かれるキャラクターを表現するために使用されます。

悪漢は、社会的に認められない行為をする人物を指すため、否定的な意味合いを持ちます。

二字熟語の博士
要するに、圧巻はある作品や発表などの中で特に優れた部分を示す言葉であり、一方の悪漢は道徳的、法的に受け入れられない行動をする男性を指す言葉です。
助手ねこ
これらの言葉は全く異なる文脈で使用され、お互いの意味や使い方には全く関連性がないんやで。
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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)



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