「二字熟語の百科事典」が書籍化されました!詳細はコチラ

「得物」と「獲物」の違い・使い分け!「えもの」の同音異義語

同音異義語とは、発音は同じでも意味が異なる単語のことです。

これらの言葉は多くの言語に存在し、日本語においても例外ではありません。

同音異義語は、言語の多様性と進化の証であり、時には混乱を招くこともあります。

この記事では、得物」と「獲物」の意味の違いや文脈に応じた使い分けについてわかりやすく解説します。

同音異義語の理解を深めることで、言語の微妙なニュアンスをより豊かに感じ取ることができるでしょう。

得物(えもの)の意味と使い方や例文

得物(えもの)をイメージしたイラスト
得物 自分に合った武器や得意なこと、技を指す。
  • 得物の小太刀」
  • 「手に手に得物を持つ」
  • 得物を手に戦う」
意味

得物とは、元々は個人が特に得意とする、使いこなすことができる武器や道具を指す言葉です。この意味は時間が経つにつれて、二つの主な解釈に広がりました。一方で、得物は個人が特に得意とする武器、つまり自分にとって最も使いやすい、または効果的な武器を意味します。これは文字通りの武器だけでなく、比喩的な意味でも使用されることがあります。もう一方の解釈では、得物は個人が最も得意とする技術や事柄を指し、これもまた文字通りの武器以外のスキルや才能のことを指すことがあります。

例えば、「得物の小太刀」という表現は、その人が特に得意とする、または好んで使用する小太刀を意味します。また、「手に手に得物を持つ」や「得物を手に戦う」という表現は、文字通りの戦闘の文脈で武器を持っている状態を描写する場合もあれば、比喩的に自信のあるスキルや技術を駆使して何かに挑む様子を表す場合もあります。

このように、得物はその人が特に自信を持って、効果的に使いこなすことができるもの、すなわち個人の得意分野や技能を象徴する言葉として理解されます。

例文

  1. 彼は得物の長剣を振り回しながら、敵陣に突入した。
  2. 画家は得物の筆を手に、一心不乱にキャンバスに色を乗せていく。
  3. 料理人は得物の包丁で素早く野菜を切り分け、見事な料理を作り上げた。

獲物(えもの)の意味と使い方や例文

獲物(えもの)をイメージしたイラスト
獲物 狩りや漁で得た動物や他人から奪い取った物を指す。
  • 獲物をねらう」
  • 「逃がした獲物は大きい」
  • 獲物のイノシシをかついで帰る」
  • 「ワシが獲物を狙う」
意味

獲物という言葉は、主に二つの大きな意味合いを持ちます。一つ目は、人が狩りや漁を通じて得た鳥、獣、魚などの生物を指します。この意味では、人間が自然から直接、食料や資源を得る行為の結果としての「獲物」を表しています。また、動物が食物として他の動物を捕食する場合にも使われることがあります。

二つ目の意味合いは、比喩的なもので、戦いや勝負事、あるいは他人との競争などで、勝利を収めて得た物や利益を指します。これは物理的なものだけでなく、名誉や地位など形のないものを含むこともあります。

用例として挙げられた「獲物をねらう」「逃がした獲物は大きい」「獲物のイノシシをかついで帰る」「ワシが獲物を狙う」は、これらの意味合いを色濃く反映しており、獲得を目指す対象やその過程、結果の大小に焦点を当てた表現となっています。

例文

  1. 彼は長時間の待ち伏せの末、ついに獲物の鹿を射止めた。
  2. 失敗した釣り人は、逃がした獲物の大きさを誇張して話す傾向がある。
  3. 山中で、獲物のイノシシを追い詰め、熟練の技で捕らえることができた。
  4. 空高く舞うワシが、地上の獲物を鋭い眼で見つけ、急降下して捕らえる様子は圧巻だ。

「得物」と「獲物」の違い・使い分け

同音異義語の違い・使い分け

「得物」と「獲物」は、異なる意味と文脈を持つ二つの言葉です。

得物は個人が特に得意とする武器や道具、または技術や事柄を指します。この言葉は、その人が最も自信を持って使いこなせるものを表し、文字通りの武器だけでなく、比喩的な意味でのスキルや才能も含みます。

例えば、剣士にとっての長剣、画家にとっての筆、料理人にとっての包丁などが「得物」となります。この用語は、個人の特技や才能を強調する際に使用されます。

一方で、獲物は狩りや漁で得た動物、または戦いや競争で得た物や利益を指す言葉です。この言葉は、物理的なものだけでなく、名誉や地位など形のないものも含むことがあります。

例えば、狩人が射止めた鹿、釣り人が釣り上げた魚、競争で勝ち得た名誉や利益などが「獲物」とされます。この用語は、何かを獲得する行為やその成果に焦点を当てる際に用いられます。

二字熟語の博士
要するに、「得物」は個人の特技や才能を象徴するものであり、「獲物」は狩猟、漁業、競争などで得た成果や報酬を意味します。
助手ねこ
これらの言葉は、その使用の文脈に応じて異なる意味を持ち、使い分けられるんやで。
ABOUT US
北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)



error: 右クリックはできません。