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「縁語」と「援護」の違い・使い分け!「えんご」の同音異義語

同音異義語とは、発音は同じでも意味が異なる単語のことです。

これらの言葉は多くの言語に存在し、日本語においても例外ではありません。

同音異義語は、言語の多様性と進化の証であり、時には混乱を招くこともあります。

この記事では、縁語」と「援護」の意味の違いや文脈に応じた使い分けについてわかりやすく解説します。

同音異義語の理解を深めることで、言語の微妙なニュアンスをより豊かに感じ取ることができるでしょう。

縁語(えんご)の意味と使い方や例文

縁語(えんご)をイメージしたイラスト
縁語 和歌や文章中で、意味上関連する言葉を使って表現の効果を高める修辞法、またはその関連する言葉のこと。 「序歌・枕詞につけて言はねばならぬのは、縁語・かけ詞である」
意味

縁語とは、和歌や文章の中で、ある特定の言葉と意味内容上で関連する言葉を組み合わせて使用する修辞法の一種です。この技法では、一つの言葉に対して、それと意味上の「縁」がある別の言葉を配して、表現の深みや美しさを増すことが目的です。主に、言葉間の連想によって相互の関連性を示し、詩歌や文章に面白みや表現の効果を加えます。

例えば、和歌において「雪」という言葉が使われた場合、それに関連する「消ゆ」という動詞を用いることで、雪が溶ける様子を暗示し、季節の移り変わりやはかなさを表現することができます。このように、縁語は言葉同士の関連性を通じて、読者の想像力を刺激し、詩的なイメージや情感を豊かにするために用いられます。

例文

  1. 「月が昇りて林を照らす夜、君を想う心は露となりて地に滴る」では、「昇り」「照らす」「露」と「月」が互いに縁語となり、夜の情景と恋心を象徴的に表現しています。
  2.  「風に揺れる桜の花びら、散りゆく姿は過ぎし日の夢の如し」では、「揺れる」「散りゆく」「夢」と「花」が縁語として用いられ、桜のはかなさと過ぎ去る時間の哀愁を際立たせています。

援護(えんご)の意味と使い方や例文

援護(えんご)をイメージしたイラスト
援護 困っている人を助け守ること、または敵の攻撃から守ることを指す。
  • 「被爆者を援護する」
  • 「被災者を援護する」
  • 「苦学生に援護の手を差し伸べる」
  • 援護活動」
  • 「突撃部隊を背後から援護する」
意味

援護とは、困っている人を助けたり守ったりする行為を指します。この言葉には、直接的な支援や保護の意味が含まれており、人々が直面している困難や危険から彼らを守るために行われる活動を表します。

また、援護は、特に敵の攻撃から守ることを意味する「掩護」という用語と関連が深く、軍事的な文脈でも使用されますが、援護はより広い意味で使われ、教育や災害時の支援など、さまざまな形の助けを含むことがあります。

例えば、被爆者や被災者への支援、苦学生への援助、あるいは戦闘時に部隊を守るための行動など、人々が困難な状況にある際に提供される支援や保護を意味します。

例文

  1. 地震で家を失った家族に対して、地域社会が積極的に援護活動を行い、必要な物資や住まいを提供した。
  2. 戦地から帰還した退役軍人が社会に再適応するのを助けるため、政府は様々な援護プログラムを設けている。
  3. 冬の寒さが厳しい中、ホームレスの人々に暖かい衣服や食事を援護するボランティア活動が増えている。
  4. 被爆者を援護するための基金が設立され、医療や生活支援が提供されている。
  5. 大学進学を目指すが経済的に困難な学生に対して、奨学金や生活費の支援という形で援護の手を差し伸べる慈善団体がある。

その他「えんご」の同音異義語

【婉語】
【掩護】

「縁語」と「援護」の違い・使い分け

同音異義語の違い・使い分け

「縁語」と「援護」は二つの異なる概念です。

縁語は、和歌や文章中で用いられる修辞技法の一つです。これは、特定の言葉と意味上関連する別の言葉を組み合わせることにより、詩や文章に深みや美しさを加える手法です。縁語は言葉間の連想を利用し、詩歌や文章において豊かなイメージや感情を表現するのに用いられます。

例えば、和歌において「雪」という言葉と「消ゆ」という動詞を組み合わせることで、雪が溶ける様子や季節の移り変わりを暗示し、詩的な表現を豊かにします。

一方、援護は具体的な行動や支援の概念を指します。これは、困っている人々を助けたり、敵の攻撃から守ったりする行為を意味します。援護は直接的な支援や保護を含み、災害時の救助活動、教育の支援、軍事作戦での部隊の保護など、多岐にわたる形で行われます。

例えば、地震で家を失った家族への援助、退役軍人の社会再適応支援、ホームレスへの食事提供などが含まれます。

二字熟語の博士
要するに、「縁語」は言葉の美しさや詩的表現を高める文学的な技法であり、「援護」は実際の支援や保護行動を指す実用的な概念です。
助手ねこ
前者は言葉の組み合わせによる表現の工夫に関連し、後者は実際の人々や状況に対する具体的な行動を意味するんやで。