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「一周」と「一蹴」の違い・使い分け!「いっしゅう」の同音異義語

同音異義語とは、発音は同じでも意味が異なる単語のことです。

これらの言葉は多くの言語に存在し、日本語においても例外ではありません。

同音異義語は、言語の多様性と進化の証であり、時には混乱を招くこともあります。

この記事では、一周」と「一蹴」の意味の違いや文脈に応じた使い分けについてわかりやすく解説します。

同音異義語の理解を深めることで、言語の微妙なニュアンスをより豊かに感じ取ることができるでしょう。

一周(いっしゅう)の意味と使い方や例文

一周(いっしゅう)をイメージしたイラスト
一周 ひとまわりすること、ひと巡り、また満1年。
  • 「場内を一周する」
  • 「世界一周旅行」
  • 「庭内を一周する」
  • 「世界一周
  • 一周忌」
  • 一周期」
  • 一周年」
  • 「校庭を一周する」
意味

一周という言葉は、基本的に「一回りすること」や「一巡りすること」を指します。これは物理的な空間を一回りする行動を意味する場合もあれば、時間の経過において特定の期間を全て経験することを指す場合もあります。

例えば、「場内を一周する」や「庭内を一周する」といった表現では、物理的な空間を起点から出発して元の地点に戻るまでの動きを表しています。一方で、「一周年」や「一周忌」のように、時間の流れにおいて特定の期間が完全に経過することも一周と表現されます。

この場合は、満1年が経過することを意味しており、始点から終点までの期間を全て経験することに焦点を当てています。したがって、一周という言葉は、物理的な移動だけでなく、時間的な経過も含む幅広い状況で使用される表現であると理解できます。

例文

  1. 新しいオフィスビルを見学したとき、私たちは建物内を一周した。
  2. 彼女は夢だった世界一周旅行を遂に実現させた。
  3. 毎朝、犬を連れて庭内を一周するのが日課です。
  4. 友人と計画している世界一周は、多くの文化を体験する絶好の機会になりそうだ。
  5. 祖父の忌には、家族が集まって故人を偲びました。
  6. この実験では、一周期の変化を詳しく観察することが重要です。
  7. 会社設立から一周年を迎え、小さなパーティーを開いた。
  8. 朝の運動として、校庭を一周する生徒たちの姿が見られます。

一蹴(いっしゅう)の意味と使い方や例文

一蹴(いっしゅう)をイメージしたイラスト
一蹴 相手を簡単に負かしたり、要求や抗議を拒否すること。
  • 「要求を一蹴する」
  • 「弱小チームを一蹴する」
  • 「挑戦者を一蹴する」
  • 「再三の陳情もすげなく一蹴された」
意味

一蹴という言葉は、簡単に相手を打ち負かしたり、要求や抗議などを容易に拒絶したりすることを意味します。

この表現は、文字通りには「一度の蹴り」を意味することから、相手を軽く扱い、問題や挑戦をすぐに解決または退けるさまを表しています。具体的には、相手チームや挑戦者を楽に勝つ、あるいは要求や陳情を何の迷いもなく拒否する状況で使用されます。

この言葉は、力の差が顕著に表れる状況や、何かを断固として拒む様子を効果的に伝えるために用いられます。

例文

  1. 新企画案を提出したが、会議で一蹴された。
  2. 努力の末に完成させた提案も、わずか一週間で一蹴されてしまった。
  3. 期待していたプロジェクトの参加要望が、上司に一蹴された。
  4. 彼の改善提案は、チームメンバーから一週間考慮された後で一蹴された。

「一周」と「一蹴」の違い・使い分け

同音異義語の違い・使い分け

「一周」と「一蹴」は、日本語でよく使われる表現ですが、その意味と使い方は大きく異なります。

一周という言葉は、物理的な空間や時間の経過に関連しています。基本的には「一回りすること」や「一巡りすること」を指し、起点から出発して元の地点に戻る動きや、特定の期間が完全に経過することを意味します。

例えば、「場内を一周する」とは、場内を歩いて出発点に戻ることを意味し、「一周年」は特定の出来事や状況が始まってから満1年が経過することを示します。

一方で、一蹴とは、相手を簡単に打ち負かすことや、要求や抗議を容易に拒絶することを意味します。文字通りには「一度の蹴り」を表し、力の差が顕著に表れる状況や、何かを断固として拒む様子を効果的に伝えるために使われます。

例えば、「要求を一蹴する」は、ある要求を全く考慮せずに拒絶することを意味し、「弱小チームを一蹴する」は、力の差を見せつけるように簡単に勝利することを表します。

二字熟語の博士
要するに、一周は物理的な移動や時間的な経過を示すのに対し、一蹴は何かを断固として拒否する態度や力の差を示す場面で使用されます。
助手ねこ
それぞれの文脈に応じて適切に使い分けることが重要やな。