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「因循」の意味と使い方や例文!「因循姑息」とは?(類義語・対義語)

因循の読み方・意味とは?(類義語・対義語)

意味

【二字熟語】
因循

【読み方】
いんじゅん

【意味】
①古い習慣や方法などに従うばかりで、それを一向に改めようとしないこと。また、そのさま。
②思い切りが悪く、ぐずぐずしていること。引っ込み思案なさま。

二字熟語の博士
「因循」という言葉は、古い習慣や方法に固執して、それを変えようとしない態度を示すんだよ。

また、ためらいや引っ込み思案の様子も表すんだ。

助手ねこ
なるほどな。それはつまり、昔ながらのやり方にこだわりすぎて、新しいことに挑戦しない人のことやな。

また、どっちにしようか迷ってばっかりで、なかなか決断しない人のことも指すんやな。

【語源・由来】
「因」は「もとの物事に従う。」
「循」は「従う。」

【類義語】
保守、伝統、保留、継承

【対義語】
改革、維持、変革

因循(いんじゅん)の解説

カンタン!解説
解説

「因循」っていう言葉は、二つの意味があるんだよ。

1つ目は、古い習慣や方法に固執して、それを変えようとしないことを指すんだ。例えば、古い方法で物事をやることにこだわって、新しいやり方を受け入れない人のことを「因循」と言うんだよ。こういう人は、古いやり方が悪いと分かっていても、それを改善しようとはしないんだ。

2つ目の意味は、思い切りが悪くて、何事もぐずぐずしているさま、つまり引っ込み思案な態度を表すんだよ。例えば、何か行動を起こす時に、いつもためらってしまってなかなか進まない人のことを「因循」と言うんだね。このような人は、何をするにも迷ってしまいがちで、思い切った行動ができないんだ。

だから、「因循」は、自分の行動や考え方を改めるのが苦手な人や、物事に対して決断力がない人を表す言葉なんだね。

因循(いんじゅん)の使い方

ともこ
現代社会に合わせた校則にしたいのに、因循な先生ばかりで困るわ。
健太
もう令和だというのに、校則は昭和のままだよね。
ともこ
時代にそぐわない校則がたくさんあるのよ。
健太
全部を変えようとすると反発されるから、一つずつ変えていこうよ。

因循(いんじゅん)の例文

例文
  1. 健太くんは因循な男だ。
  2. 因循姑息な自分の性格を省みる。
  3. 因循して旧を守っているばかりでいいのだろうか。
  4. 因循で旧弊だ。
  5. 田舎には因循な人間が多い。

因循の文学作品などの用例

  1. ・・・くないのは、男の癖に因循な証拠ですよ。生意気いうようだけど、柏崎・・・ 伊藤左千夫浜菊

  2. ・・・いう倦怠、なんという因循だろう。私の病鬱は、おそらく他所の部屋に・・・ 梶井基次郎冬の蠅

  3. ・・・馬車券とを得ければ、因循日を費さんよりは苦しくとも出発せんと馬車・・・ 幸田露伴突貫紀行

「因循姑息」とは?

因循」を用いた四字熟語に「因循姑息(いんじゅんこそく)」があります。

因循姑息」とは、「古い習慣に頼って、その場をしのごうとすること。また、そのさま。」

という意味です。

明治文明開化期の流行語「おっぺけぺえ節」で、「ちょんまげ頭を叩いて見れば、因循姑息の音がする」とうたわれた。
姑息」は、「一時のがれ。間に合わせ。」、「」は、「とりあえず。」という意味です。
二字熟語の博士
「因循姑息」という言葉は、昔ながらのやり方に頼り続けて、問題を一時的に避けるような態度や行動を指す言葉だよ。
助手ねこ
ほんなら、「因循姑息」は、昔からのやり方にしがみついて、困ったことが起きたらさっさとその場を逃げ出すような人のことをいうんやな。

つまり、新しいことにチャレンジせず、古いやり方に頼ってばっかりいて、問題が起きたらすぐ逃げるような人のことやな。

【類義語】
・萎靡因循(いびいんじゅん)
・因循苟且(いんじゅんこうしょ)

【対義語】
・熟慮断行(じゅくりょだんこう)
・直情径行(ちょくじょうけいこう)