【二字熟語】
忸怩
【読み方】
じくじ
【意味】
恥じ入るさま。
【語源・由来】
「忸」は「はじる。はずかしく思う。」「怩」は「はじる。はじらう。」
【類義語】
恥じる、慙愧に堪えない、汗顔の至り、不徳の致すところ、自責の念にかられる、悔いが残る、悔恨の情、情けない思い
忸怩（じくじ）の使い方
この前の試合で絶対に優勝できると思っていたんだよね。
他の選手を見下す発言をしていたわよね。
優勝できないどころか初戦突破もできなくて、思い上がっていた自分に忸怩たる思いだよ。
心を入れ替えて、次こそは優勝よ。
忸怩（じくじ）の例文
- 自分だけがなにもできないことに忸怩たる思いを抱いていた。
- 評価されて調子に乗った未熟な自分に忸怩たる思いが募った。
- 僕のせいでと忸怩たる思いが胸を覆い
- 振り返ってみると自分のことしか考えていなかったことに気付き、忸怩たる思いがこみ上げる。
- 世間をお騒がせすることになり忸怩たる思いです。
「忸怩たる思い」とは？誤用に注意！
「忸怩」は「忸怩たる思い」という言い方でビジネスの場面やニュースで使われることが多いです。
「忸怩たる思い」は「恥じ入るような情けないことをしてしまい反省しています。」という謝罪の意味が含まれています。
「忸怩たる思い」は反省と謝罪の念を表す言葉です。
【例文】
- 入院前に治療制限を選択しなければならない現状には、医師として内心忸怩たる思いがあります。
- 日本経済にとって良かれと思って交渉した結果が日本の競争力を弱めることにつながってしまったこと、忸怩たる思いにかられます。
というようにニュースで使われています。
「忸怩たる思い」の誤用に注意！
「忸怩たる思い」は、「悔しい思い、思い悩む」という意味で使われていることがありますが、これは誤用です。
【誤用の例文】
- ❌ バラエティーの仕事ばかりで、報道番組のメインキャスターを務めたこともないことを、内心、忸怩たる思いがあったかもしれません。（悔しい）
- ❌ 加害者が過失を認めない、罪を認めないということは被害者としては非常に忸怩たる思いを抱くだろう。（悔しい）
というニュースがありましたが、「忸」「怩」ともに「悔しい」「悩む」という意味はないので誤用です。
誤用の原因として、「視聴率が下がり、忸怩たる思いです。」というコメントがあるとすると「自分の演技のせいで視聴率が下がり、恥じ入り情けなく申し訳ない」という意味なのですが、視聴率が下がり悔しいと捉えることもできることから、「悔しい」「思い悩む」という意味に誤用されるようになったと考えられます。
また、「じくじ」という音の響きが、悩んでいる様子を表す「うじうじ」につながることも誤用の原因の一つとされています。
