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「感受」「甘受」「貫主・貫首」の違い・使い分け!「かんじゅ」の同音異義語

同音異義語とは、発音は同じでも意味が異なる単語のことです。

これらの言葉は多くの言語に存在し、日本語においても例外ではありません。

同音異義語は、言語の多様性と進化の証であり、時には混乱を招くこともあります。

この記事では、感受」「甘受」「貫主・貫首」の意味の違いや文脈に応じた使い分けについてわかりやすく解説します。

同音異義語の理解を深めることで、言語の微妙なニュアンスをより豊かに感じ取ることができるでしょう。

感受(かんじゅ)の意味と使い方や例文

感受(かんじゅ)をイメージしたイラスト
感受 外からの影響や印象を受け取ること。心で感じること。
  • 感受性」
意味

感受という言葉は、外部の刺激や印象を受け取り、それを心で感じ取ることを意味します。このプロセスでは、個人が外からの情報や感触を内面で理解し、それに反応する感覚的な能力が関わっています。

つまり、感受は外部世界とのインタラクションを通じて、自分の内面に影響を及ぼすさまざまな要素を受け入れ、それらを心で感じ、理解する能力や作用を指しています。例えば、「感受性」という言葉は、このような外部からの刺激に対して敏感に反応する性質や能力をさらに強調しています。

例文

  1. 彼女の音楽に対する感受は非常に鋭く、微細な旋律の変化さえも見逃さなかった。
  2. 新しい環境に対する彼の感受は驚くべきもので、すぐに周囲の文化や言葉に適応し始めた。

甘受(かんじゅ)の意味と使い方や例文

甘受(かんじゅ)をイメージしたイラスト
甘受 快く受け入れること。
  • 「あえて批判を甘受する」
  • 「不利な条件を甘受して交渉に臨む」
  • 「運命を甘受する」
意味

甘受とは、何かを受け入れる際に、それが望ましくない状況や条件であっても、抵抗や不満を示さずに受け入れる態度や行為を指します。

この言葉は、単に受け入れるだけでなく、その状況や条件をある程度前向きに、または少なくとも諦めの心で受け入れる意味合いを含んでいます。例えば、批判や不利な条件、あるいは運命など、避けがたい状況に直面した時に、それに対して積極的にあるいは静かに受け入れる姿勢を示すことを表します。

例文

  1. 新しいプロジェクトでの役割が自分にとって非常に挑戦的であることを知りながらも、その機会を甘受し、成長のための一歩と考えた。
  2. 彼女は友人との意見の相違を甘受し、関係を維持するために互いの違いを尊重することを選んだ。
  3. 会社が経済的に困難な時期を迎えた際、社員たちは給与カットを甘受し、共に乗り越えようと団結した。

貫主・貫首(かんじゅ)の意味と使い方や例文

貫主・貫首(かんじゅ)をイメージしたイラスト
貫主・貫首 最上位の指導者、あるいは特定の寺院や宗派の長。
  • 「清水寺の貫主
意味

貫主・貫首とは、もともと「貫籍の上首」という意味からきており、さまざまな文脈で使用される敬称や役職を指します。この言葉は、特定の集団や組織の最上位の人物、つまりリーダーや統領を意味する場合があります。具体的には、以下の三つの主な用途があります。

  1. かしらだつ人、統領:この用法は、ある家族や集団の頭として機能する人物を指します。家族や一門などの最上位に立つ人物がこの役割を担い、しばしば決定権を持つことから、その集団や家族の指導的立場にあることを示します。
  2. 蔵人頭の異称:蔵人頭とは、宮中で文書や記録を管理する重要な官職の一つで、この用語はその職にある人物を尊称するために用いられます。この場合の貫主は、特に文書や記録の管理における最高責任者を指し、その重要な役割から尊敬を込めて呼ばれます。
  3. 天台座主の異称、及び各宗派の本山や諸大寺の管長の敬称:もともとは天台宗の座主を指す敬称として用いられましたが、時間が経つにつれて、他の宗派の本山や大寺院の住持を表す敬称としても使われるようになりました。この用法では、その宗派や寺院の精神的指導者または管理者を指すことになり、宗教的な権威や尊敬を示す表現として機能します。

例えば、「清水寺の貫主」という表現は、清水寺という特定の寺院の住持や精神的指導者を尊敬を込めて指す場合に使われます。このように、貫主はその使用される文脈によって異なるが、一般的にはある集団や組織、宗教団体の最高位に立つ人物、またはその役職を尊敬を持って指す言葉です。

例文

  1. 清水寺の貫主は、毎年春になると寺院内で特別な法要を執り行うことで知られており、多くの信者や観光客がその祈りの場に集まります。
  2. 清水寺の貫主による年末の説法は、一年の終わりを静かに振り返り、新たな年への希望を持つための重要な機会となっています。その言葉は、心の平安を求める人々に深く響き渡ります。

その他「かんじゅ」の同音異義語

【干珠】
【官需】
【巻数】
【漢儒】

「感受」「甘受」「貫主・貫首」の違い・使い分け

同音異義語の違い・使い分け

「感受」、「甘受」、「貫主・貫首」という言葉は、それぞれ異なる意味と用途を持ちます。

感受は、外部からの刺激や印象を受け取り、心で感じることを意味します。この言葉は、個人が外の世界からの情報や感覚を感じ取り、内面で理解し反応する能力に関連しています。

たとえば、音楽や芸術に対する敏感さ、または周囲の環境に対する反応などが「感受」の範疇に入ります。

甘受は、ある状況や条件を、それが望ましくないとしても抵抗や不満を示さずに受け入れる態度を表します。この言葉は、避けられない事態や挑戦、困難などを前向きに、または諦めの心で受け入れることを意味します。

例えば、批判や不利な状況に対して積極的または静かに受け入れる姿勢を「甘受」と言います。

貫主・貫首とは、主に宗教的な文脈で使われ、特定の寺院や宗派の長、または集団や組織の最上位の指導者を指す言葉です。この役職は、宗教的な権威や尊敬を持ち、精神的な指導者または管理者として機能します。

例えば、「清水寺の貫主」は清水寺の住持や精神的指導者を尊敬を込めて指す場合に使用されます。

二字熟語の博士
これらの言葉は、それぞれ異なる状況や文脈で使われます。
助手ねこ
感受」は感情や感覚に関連する話題で、「甘受」は困難や挑戦に対する受容の姿勢を表す話題で、そして「貫主・貫首」は宗教的あるいは組織的な指導者に関する話題で使われる言葉やで。
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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)



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