際物の読み方・意味とは?(類義語)
【二字熟語】
際物
【読み方】
きわもの
【意味】
①ある時季のまぎわにだけ売れる品物。正月の羽子板、3月のひな人形、5月の鯉のぼりなど。
②一時的な流行をあてこんで作った商品。
③演劇・映画・演芸・小説などで、実際にあった事件や流行をただちに取り入れて題材としたもの。
2つめは、一時的なブームに乗って出されたもんや。そして、3つめは、今の出来事や話題をすぐさま使って作られた演劇や映画、小説なんかの作品のことやな。これは、流行り物や時期限定のものに関する言葉やね。
【語源・由来】
ある時季の間際(まぎわ)にだけ売れる品物の意。
【類義語】
色物、下手物
際物(きわもの)の解説
「際物」という言葉はね、色んな意味があるんだよ。
まず、1つ目の意味は、特定の時期にだけ売れる商品のことなんだ。例えば、お正月に売れる羽子板や、3月のひな祭りに飾るひな人形、5月の子どもの日によく見る鯉のぼりなんかがそれにあたるよ。これらの商品は、その時期になるとよく売れるけど、他の時期にはあまり売れないんだ。このようなものを指して「際物商い」という言い方もするんだよ。こういう特定の時期にだけ売れる商品を扱う商売のことを言うんだ。
2つ目の意味は、一時的な流行に合わせて作られた商品だよ。これは、ちょっとしたブームや流行り物に便乗して、すぐに売れるように作られた商品のことを指しているんだ。たとえば、ある有名人がテレビで使っていたアクセサリーや、流行っている映画やアニメのキャラクターグッズなどがこれに該当するよ。
3つ目の意味は、演劇や映画、演芸、小説などで、実際に起きた事件やその時々の流行をすぐに取り入れて作られる作品だよ。例えば、ニュースで話題になっている事件を基にしたドラマや、最新の社会問題を取り上げた小説などがこれにあたる。「際物小説」っていうのは、そういう実際の出来事や流行を題材にした小説のことを言うんだよ。
ちなみに、2つ目と3つ目の意味での「際物」は、多くの場合、安易に作られていたり、品質が低いものというニュアンスで使われることが多いんだ。また、「きわどい物」という解釈で、下品だったり、趣味が悪いという意味でも使われることがあるよ。
だから、「際物」という言葉は、時期や流行りに合わせて作られるものや、一時的に人気のあるものを指すんだけど、時には品質が低い、または趣味が悪いという意味でも使われるんだね。
際物(きわもの)の使い方
際物(きわもの)の例文
- 彼の作品は、業界では際物扱いされている。
- それは際物的小説です。
- 彼は、季節ものの品を売り歩く際物師だ。
- あの制作会社の映画は、際物のタイムリーな企画が多い。
- 需要が12月に集中する餅は、際物商材だ。
際物の文学作品などの用例
-
・・・卑猥なものやあくどい際物で堕落し切っているのに対して、道徳的なも・・・ 寺田寅彦「アインシュタインの教育観」
「際物」と「色物」「下手物」の違いを解説
「際物」に似ている語に「色物(いろもの)」「下手物(げてもの)」があります。
「際物」と「色物」の違いは?
「色物」は
①色のついている物。衣服や織物、紙などの、白・黒以外のもの。
②寄席で、講談・義太夫・落語に対して、彩りとして演じられる漫才・曲芸・奇術・声色 (こわいろ) ・音曲 (おんぎょく) などのこと。
③②から転じて、その業界や物事において、主要な位置にないもののこと。
という意味です。
「際物」は、一時的に人々の興味関心を引くものをいいます。
対して「色物」は、主要な位置に無いものをいうので意味が違います。
一方「色物」は、文字通り色のついている物や、主流ではないが変わり種として注目されるものを意味しているよ。寄席の舞台で言うと、主要な落語や講談に比べて、少し異なるジャンルの漫才や奇術などがこれに当たるんだ。
一方で、「色物」は、色々な色の物や、メインじゃないけど面白さで注目されるものを指すんやな。寄席の舞台で言えば、主役の落語や講談とは違って、ちょっと変わったジャンルの漫才や奇術なんかがそれになるんか。うーん、確かに似てるけど、ちゃんと違いがあるんやな。
「際物」と「下手物」の違いは?
「下手物」は
①並の品。粗雑で安物の工芸品。
②普通とは違って、風変わりなもの。
という意味です。
「際物」は、一時的に人々の興味関心を引くものをいいます。
対して「下手物」は、粗雑な安物、風変わりな物という意味で使われるので意味が違います。
一方、「下手物」とは、手作りの工芸品の中でも粗雑なものや安物を指す。また、普通とは異なる、一風変わったものを意味しているんだ。
それに対して、「下手物」は、ちょっと品質が悪かったり、変わったもんやな。工芸品でいうと、ちょっと手が加わってない、ざっくりしたものや、通常とはちょっと違う変わったものを指すんやな。うんうん、違いがよくわかったわ。
第二の意味は、一時的な流行を狙って作られた商品のことだよ。そして第三の意味は、演劇や映画、小説などで、現実の事件や流行をすぐに取り入れた作品のことを指すんだ。