【二字熟語】
万夫
【読み方】
ばんぷ
【意味】
多くの男。多くの武士。
【語源・由来】
「万」は「数の多いこと。よろず。」
「夫」は「おとこ。一人前の男。」
【対義語】
一夫
万夫(ばんぷ)の使い方
あの城はとても堅牢で、攻め落とされたことがないんだって。
あの城は「一夫当関、万夫莫開」と称されているのよね。
そんなに安全ならここに住みたいなあ。
国の所有物だから住めないわね。
万夫(ばんぷ)の例文
- 彼は、万夫に匹敵すると呼ばれた英雄だ。
- この戦場より南一里の処に姑母山と称する古城がある。山峡重なって中に川が流れ、一夫守って万夫を防ぐに足る要害である。(菊池寛、碧蹄館の戦)
- 万夫が結束すると、それが兵器をもたない民衆でも恐ろしいものだ。
- 白河二所の関とは一夫道にあたりて万夫も進まざる恐ろしき嶮岨、鬼も出づべしと思ひきや、淋しき町はづれにいかめしき二階づくり、火にぎやかにともし連ねたるを何ぞと近よれば、ここも一廓、秋風の吹かぬ処ぞかし。(正岡子規、旅)
- 胸脯は横闊にして、万夫も敵し難きの威風あり。(施耐庵、水滸伝 二)
「万夫不当」とは?
「万夫」を用いた表現の一つに「万夫不当(ばんぷふとう)」があります。
「万夫不当」とは、万夫が当たってもかなわないほど剛勇なことをいいます。
「不当」とは、戦って相手になることができないことという意味です。
【類義語】
・一人当千(いちにんとうせん)
・一騎当千(いっきとうせん)
・蓋世不抜(がいせいふばつ)
・百戦錬磨(ひゃくせんれんま)
【例文】
- もしこれを都の城門にお置き遊ばせば、これは万夫不当の番人となるでございましょう。(佐藤正彰、千一夜物語)
- 健太くんは見た目通り、百戦錬磨の万夫不当だ。