【二字熟語】
憮然
【読み方】
ぶぜん
【意味】
①失望してぼんやりするさま。失望や不満でむなしくやりきれない思いでいるさま。
②あやしみ驚くさま。
【語源・由来】
「憮」は「がっかりする」「然」は「状態を表す形容詞のあとに添える語。」このことから「憮然」は「失望してぼんやりするさま」をいう。
【類義語】
呆然、落胆、失望、がっかり
【対義語】
(失望の対義語)希望、感動
(落胆の対義語)有頂天、発奮
(がっかりの対義語)うきうき
憮然(ぶぜん)は誤用率56.7%!本当の意味は?
「憮然」は近年「むっとする」という意味で用いられることが多いですがこれは誤用です。
本当の意味は
①失望してぼんやりするさま。失望や不満でむなしくやりきれない思いでいるさま。
②あやしみ驚くさま。
です。
文化庁による平成30年度「国語に関する世論調査」では「憮然」の意味を「失望してぼんやりとしている様子」と答えた人は全体の28.1%でした。
それに対し「腹を立てている様子」と答えた人は56.7%でした。
つまり「憮然」は本来の意味とは異なる誤った「腹を立てている様子」として半数以上の人に使われていることになります。
「腹を立てている様子」という誤った意味で認識された原因として考えられることは「憮然」の「ぶ」という音が「ぶうぶう言う」などの「ぶうぶう」(「小言や苦情を言い立てるさま。そういう人。ぶつぶつ。」)を連想させたのではないかということです。
また「ぼんやりとしている様子」は一般的に「呆然」を用いるため「憮然」と「ぼんやり」が結び付きにくいことも原因の一つとして考えられます。
「憮然」は「腹を立てている様子」という間違った意味が一般的になっているので、誤解されないよう使い方には気をつけましょう。
憮然(ぶぜん)の使い方
健太くんが車にひかれたって聞いたから急いできたのに。
ごめんね。ピンピンしているよ。
どれだけ心配させたと思っているのよ。呆れたわ。
そんな憮然とした顔つきをしないでよ。
憮然(ぶぜん)の例文
- これで三大都市の一つなのかと憮然とする。
- 憮然として立ちつくす。
- 憮然と思いつつ声も出せなかった。
- 憮然として立ち去る。
- 父に自分の頑張りを認めてもらえず憮然とした表情をうかべた。