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「下衆」の意味と使い方や例文!「下品」「下劣」との違いは?(類義語・対義語)

下衆の読み方・意味とは?(類義語・対義語)

意味

【二字熟語】
下衆

「下司」「下種」とも書く。

【読み方】
げす

【意味】
①心根の卑しいこと。下劣なこと。また、そのようなさまやその人。
②身分の低い者。
③「げし(下司)」に同じ。

二字熟語の博士
「下衆」という言葉にはいくつかの意味があるんだ。まず1つ目は、心根が卑しい、つまり品性が劣っていることや、そのような人を指すんだ。そして2つ目は、身分が低い人たちを指すこともある。

さらに3つ目は、昔の日本では、特に低い身分の役人のことを指す言葉だったんだよ。これは、中世の荘園で働く荘官、つまり地方で実務を行う役人のことを言っているんだ。

助手ねこ
なるほどなぁ。じゃあ、「下衆」ってのは、品がない人のことやったり、ちょっと身分が低い人たちのことを言うんやな。

それに、昔は身分の低いお役人さんのこと、荘園中世の荘園で実際の仕事をする役人さんのことを言うたんやね。時代や場合によって、色んな意味で使われる言葉なんやな。面白いわ~。

【語源・由来】
「下」は「した。しも。うしろ。場所・身分・程度が低い。」
「衆」は「多い。多くの人々。」

【類義語】
下劣、下品

【対義語】
貴人、上種

下衆(げす)の解説

カンタン!解説
解説

「下衆」という言葉は、いろいろな意味があるんだよ。

まず、一番目の意味は、「心根の卑しいこと」や「下劣なこと」、つまり、考え方や行動がとても悪いとか、人としてあまり良くないということを示すんだ。例えば、「下衆な根性は持つな」という言葉は、「人として悪い心や考え方を持たないようにしよう」という意味があるんだ。

二番目の意味は、「身分の低い者」を指す言葉なんだ。昔は、人々を身分で分けて考えることが普通だったから、この言葉もそういう時代の名残なんだよ。例えば、「未学を軽んぜず下衆をも侮らず」〈露伴・五重塔〉では、「学問がない人や身分が低い人も、軽く見たり、バカにしたりしないように」という教えが込められているんだ。

三番目の意味は、「身分の低い役人」だよ。昔の日本で荘園という大きな農地で働いていた人たちのことを言うんだ。荘園にはいろいろな役人がいて、彼らは京都にいる上司に報告したりしていたんだよ。この「下衆」という言葉は、こうした役人たちを指す時に使われていたんだ。

ちなみに、「下衆」という言葉は、「下司」とか「下種」とも書くんだ。これらの言葉は、ちょっと違う字を使っているけど、同じような意味を持っているよ。

だから、「下衆」という言葉は、人の性格が悪いこと、社会的に身分が低いこと、あるいは昔の日本で特定の役人を指す言葉、といった複数の意味を持っているんだね。

下衆(げす)の使い方

健太
弱者を切り捨ててでも自分たちの給料を守ろうとしている議員は下衆だね。
ともこ
下衆ばかりね。
健太
頭がいいのに下衆な人ばかりで残念だね。
ともこ
下衆な議員が政治を行う残念な国なのよ。

下衆(げす)の例文

例文
  1. それは下衆の勘繰りだ。
  2. 下衆の後知恵ということわざがある。
  3. 健太くんは、人をだまそうとする下衆な男です。
  4. 健太くんのような下衆と一緒にしないでくれ。
  5. 補助金を不正受給するのは下衆のやることだ。

下衆の文学作品などの用例

  1. ・・・や、苦笑と一しょに「下司ですなあ」と言った。それは「下」の字に力・・・ 芥川竜之介島木赤彦氏

  2. ・・・の百夜通いと云えば、下司の子供でも知っているはずです。それをあな・・・ 芥川竜之介二人小町

  3. ・・・二の烏 はて、下司な奴、同じ事を不思議な花が薫ると言え。三の烏 ・・・ 泉鏡花紅玉

「下衆」と「下品」「下劣」との違いを解説

下衆」に似ている語に「下品(げひん)」「下劣(げれつ)」があります。

「下衆」と「下品」の違いは?

下品」は、
①品格・品性が劣ること。卑しいこと。また、そのさま。
②品質の劣った物。

という意味です。

下衆」は、「下品な人」のことをいう点が「下品」と違います。

二字熟語の博士
「下衆」と「下品」は、どちらも品位が低いことを指す言葉だけど、少し意味合いが違うんだ。「下衆」は、心が卑しいことやそのような人を指し、特に心の質や性格の悪さを表すんだ。歴史的には、低い身分の人や役人にも使われていたよ。

一方で、「下品」は、品格や品性が低いこと、つまり行動や言葉使いが粗野で品がないことを指しているんだよ。また、品質が劣った物の事も指すんだ。この場合は人間の性格や行動ではなく、物の質に関することを言っているんだよ。

助手ねこ
なるほどなー。じゃあ、「下衆」ってのは、心がねじ曲がってて、ちっちゃなことばっかり考えるような人のことやな。昔の話では、身分の低い人や、お役人さんをそう呼んだこともあるみたいやけど、今はもっぱら性格の悪さを指すんやろ。

それに対して「下品」は、振る舞いや言葉遣いが悪いことを言うわけや。テーブルマナーがなってないとか、下品な冗談を言うとか、そんな感じやな。物の話になると、安物の品とか壊れやすい物とかも「下品」というんやな。やっぱり、どっちもあんまり褒められたもんじゃないけど、違いははっきりしてるわ。

「下衆」と「下劣」の違いは?

下劣」は、「下品で卑しいこと。道義的に下等であること。また、そのさま。」という意味です。

下衆」は、「下劣な人」という意味である点が「下劣」と違います。

二字熟語の博士
「下衆」と「下劣」は、どちらも否定的な意味を持つ言葉だが、その使われ方には違いがあるよ。まず「下衆」は、心根が卑しいことやそのような人を指す。また、身分が低い者や中世の荘園の低身分役人を指す言葉でもあるんだ。

それに対して「下劣」という言葉は、道徳的に卑しいこと、品位が低いことを指すんだ。こちらは、特定の行動や態度が下品であり、道義的に許されないことを強調している。つまり、道徳的な価値観に基づいて人の行動や品位を評価する際に使われる言葉なんだ。

助手ねこ
なるほどなぁ。「下衆」ってのは、性格が悪いやつとか、昔は身分が低い人やお役人さんを指す言葉やったんやね。

それに対して「下劣」は、道徳的にあかん行動や態度のことを言うわけや。例えば、ええかげんな振る舞いとか、品がない行いが「下劣」ってわけや。やっぱり、どっちもいい意味では使われへんけど、ちゃんと違いがあるんやな。