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「批准」の意味と使い方や例文!「署名」「締結」との違いは?(類義語)

【二字熟語】
批准

【読み方】
ひじゅん

【意味】
①臣下の奏上する文書・事柄に対し、君主が可否を決して裁許すること。
②全権委員が署名した条約に拘束されることを当該国家において憲法上条約締結権限を与えられた者が確認し同意すること。

【語源・由来】
「批」は表奏の末尾に天子が可否の決裁を書き示すという意味。「准」は許すといみ意味。このことから、君主が可否を決して裁許すること。

【類義語】
調印、承認

批准(ひじゅん)の使い方

ともこ
家庭科は少し前まで男女共修じゃなかったんですって。
健太
それは驚きだね。おじいちゃんたちの時代は違っていたんだね。
ともこ
1985年に日本が女子差別撤廃条約を批准したことから、1993年に中学で家庭科が男女共修になったんですって。
健太
約30年前か。十年一昔っていうけど本当だね。

批准(ひじゅん)の例文

  1. 各国の批准が得られず、新しい国際機関の発足は見送られた。
  2. 相手国が要求を拒否したので、批准を見るにいたらなかった。
  3. 平和宣言で核兵器禁止条約の批准を日本政府に求めた。
  4. 月の資源は人類の共同財産と定める月協定が発効されたが、日本は批准していない
  5. 議会が批准を拒否した。

「批准」と「署名」「締結」の違いは?

条約を結ぶニュースで「批准」を耳にするように「署名」や「締結」もよく耳にすると思います。同じような意味に思われますがどう違うのでしょうか。

署名」の意味は「文書に自分の姓名を書きしるすこと。また、その書きしるしたもの。サイン。法律上は、自署または自署捺印を原則とするが、商法や会社法においては記名押印でもよいとされる。手形法・小切手法でも同様であるが、記名捺印の語がもちいられる。」

締結」の意味は「契約または条約を取り決めること。」

署名」は条約だけでなく、日常生活でも宅配便を受け取る時、記載内容に同意したことを示すために「署名」をすることがあります。条約での「署名」は、その内容が確定した際に作成に関わった全権委員が記名することをいいます。「署名」の後は内容の修正は不可能で、条約の内容に賛成したとみなされます。この「署名」は「調印」「記名」と同義です。

批准」は全権委員が「署名」した条約を国家が確認し、国家として正式に条約に同意することをいいます。この「批准」がなされてはじめて、その条約は国内でも有効になります。

つまり「署名」の手続きの後に「批准」があり、「締結」は「署名」「批准」などの条約に関わる全ての手続きを済ませた状態をいいます。

余談ですが「署名」はしたが、議会の同意が得られず「批准」はしないということが現実にあります。その際は「締結」もありません。