読み方で悩みやすい漢字の一つに、「刺青」があります。
Q「刺青」、あなたはこの二字熟語を何と読みますか?
次の3択から選んでみて下さい。
- 「いれずみ」
- 「しせい」
- 「いれずみ」と「しせい」両方とも
このページでは、悩みやすい「刺青」の読み方や意味について詳しく解説していきます。
「刺青」の読み方は、「いれずみ」?「しせい」?
刺青の正しい読み方は、「いれずみ」「しせい」どちらなのでしょうか。
漢字から察すると「しせい」の気もしますが、「いれずみ」にも聞き覚えはありそうですね。
「刺」の音読みは「シ」表外読みとして「セキ」、訓読みは「さ(さる・す)」表外読として「そし(る)」「とげ」「なふだ」となります。
一方「青」の音読みは「セイ」「ショウ」、訓読みは「あお」「あお(い)」となります。
このことから「しせい」は正しそうですが「いれずみ」はどうなのでしょう。
さて、結論を言ってしまうと、刺青の読み方は「いれずみ」と「しせい」のどちらを使っても間違いではありません。
つまり、答えとしては3つ目の「両方とも」ということになります。
では、何故刺青を「いれずみ」と読むのでしょうか?
本来の読みは「しせい」でした。
谷崎潤一郎の短編小説「刺青(しせい)」が発表されて以降「いれずみ」と読むようになったようです。
つまりこれは、熟字を訓読みにする熟字訓となります。
訓読みが漢字を日本語として意味が通じるように読ませるのと同じで、熟字訓は熟語に対して日本語の意味が通じる読み方で読ませたものです。
簡単にいってしまえば、一つの熟語に対して訓読みをしているということですね。
他にも今日(きょう)明日(あした)昨日(きのう)等様々な熟字訓があります。
「刺青」の意味は、「いれずみ」も「しせい」も同じ
刺青の意味としては、「刃物や針等で皮膚に傷をつけ、そこに墨などを入れて文字や絵等を描くこと」になります。
同じ意味で「入れ墨」がありますが、前述の小説が登場してからは「刺青」が多く使われるようになったようです。
※江戸時代の前科者の印として掘られたものは「入れ墨」を使います。
他にも「タトゥー」と表現することもありますが、これは刺青の英語表記であり、基本的には同じ意味合いと考えて良いでしょう。
使い方としては「背中に刺青を掘る・入れる」「彼女の背中には龍の刺青が施されていた」等です。
まとめ
- 刺青の読み方は「いれずみ」「しせい」のどちらも正しい。
- 本来は「しせい」であった。
- 刺青は「刃物や針等で皮膚に傷をつけ、そこに墨などを入れて文字や絵等を描くこと」を意味する。