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「勘当」「間道」「感動」の違い・使い分け!「かんどう」の同音異義語

同音異義語とは、発音は同じでも意味が異なる単語のことです。

これらの言葉は多くの言語に存在し、日本語においても例外ではありません。

同音異義語は、言語の多様性と進化の証であり、時には混乱を招くこともあります。

この記事では、勘当」「間道」「感動」の意味の違いや文脈に応じた使い分けについてわかりやすく解説します。

同音異義語の理解を深めることで、言語の微妙なニュアンスをより豊かに感じ取ることができるでしょう。

勘当(かんどう)の意味と使い方や例文

勘当(かんどう)をイメージしたイラスト
勘当 親が子との縁を切ること、または主従関係や師弟関係を絶つこと。
  • 「放蕩息子を勘当する」
意味

勘当とは、不行跡などの理由で、親が子との関係を断ち切る行為を指します。この概念は、単に親子関係に限らず、主従関係や師弟関係においても使われることがあります。その根底には、何らかの罪や過ちを理由に、その人を法的、道徳的に処罰する意味合いが含まれています。

また、勘当は単に叱ることや譴責(けんしつ)することを超え、関係を完全に断つことを意味し、その結果として追放や除籍が行われることもあります。江戸時代においては、不良の子弟を社会的に排除する手段として具体的に勘当が行われた例もあります。

これは義絶、すなわち義理上の関係を絶つことにも通じ、長期間の疎遠を意味する「久離(きゅうり)」とも関連付けられます。例として、「放蕩息子を勘当する」という表現が挙げられ、これは放蕩行為を理由に息子との関係を断つ親の決断を示します。

例文

  1. 彼は夜遅くまで遊び歩き、家庭を顧みない生活を続けたため、ついには父親から勘当された。
  2. 放蕩息子を勘当すると宣言した後、彼女は涙ながらに息子の部屋を片付け、彼の思い出を胸に秘めながら新たな生活を始めた。

間道(かんどう)の意味と使い方や例文

間道(かんどう)をイメージしたイラスト
間道 主要な道から外れたわき道やぬけ道。
  • 間道を抜ける」
意味

間道という言葉には、少なくとも二つの異なる意味があります。

まず、茶道における「間道」とは、古く南方より渡来した外国産の縞織物を指します。この縞織物は、「間」が混ざる、交じるという意味を持ち、「道」は筋や縞を意味しています。カンドウとも読まれ、名物切(めいぶつぎれ)として茶道で非常に珍重されています。これは、漢裼、漢渡、広東、漢島、間綯などとも記され、その希少性や美しさから特別な価値があるとされています。

一方で、間道という言葉は、主要な道から外れた道、つまりわき道や抜け道を意味することもあります。この文脈では、本来の目的地へより速く、またはより秘密裏に到達するために利用される道を指します。「間道を抜ける」という用例は、この意味で使用され、通常の道よりも短いルートや一般にはあまり知られていないルートを取ることを示しています。

これら二つの意味は、完全に異なる文脈で用いられますが、どちらも間道という言葉に込められた独特の概念や価値を反映しています。一つは芸術や文化の領域で、もう一つは日常の移動や経路選択に関連しています。

例文

  1. 茶室に向かう途中、古い間道の縞模様が目に留まり、その精緻な美しさに一瞬足を止めた。まさに名物切れとして、このような布が茶道で珍重される理由がわかる気がした。
  2. 山の中を歩いていると、ふと目に入った間道を抜けることにした。その狭いわき道は、予想外の美しい景色へと導いてくれた。

感動(かんどう)の意味と使い方や例文

感動(かんどう)をイメージしたイラスト
感動 物事に強く心を動かされること。
  • 「名画に感動する」
  • 感動を覚える」
  • 感動にひたる」
  • 「自然の美しさに感動する」
  • 「あの日の感動は決して忘れない」
  • 感動的な場面」
意味

感動は、特定の事象や物体、体験から特別な意味や価値を感じ取り、その結果、心が強く動かされる感情の状態を指します。この心の動きは、深い感銘や強い共感、心を震わせるような体験から生まれることが多く、美術品、自然の風景、人間関係、または物語など、さまざまな源泉から引き起こされます。感動は個人の内面的な体験であり、それによって感情が高まり、時には人生の見方や価値観に影響を与えることもあります。

例えば、名画に感動するとは、その作品が持つ美しさや表現されているメッセージに心を打たれ、深い感銘を受けることを意味します。自然の美しさに感動する場合、その壮大さや純粋さに心が動かされ、人間としての存在を深く感じさせる瞬間に触れることができます。感動的な場面に出会うと、その瞬間の強い感情や印象は長く記憶に残り、人生における重要な思い出となることもあります。

感動はまた、人々が互いに共有することでさらに強まることがあり、共感や理解を深める手段として機能します。感動的な体験を共有することで、人間関係が強化され、コミュニティの絆が深まることがあります。このように、感動は単なる感情の反応ではなく、人々の心を結びつけ、人生の豊かさを深める重要な役割を果たします。

例文

  1. 名画に感動するとき、その色彩と構図の美しさに心が奪われます。
  2. 初めて見た夕日の美しさに感動を覚え、言葉を失いました。
  3. 友人の優しさに感動にひたり、涙が止まらなくなりました。
  4. 雄大な山々と清らかな川の自然の美しさに感動するたび、心が洗われる思いがします。
  5. あの日の感動は決して忘れない、友情と勇気を胸に秘めて前に進む勇気をもらいました。
  6. 映画の最後に現れた感動的な場面は、観客全員を涙に包み込んだ。

その他「かんどう」の同音異義語

【丱童】
【完動】
【官道】
【貫道】
【換頭・喚頭】
【関同】

「勘当」「間道」「感動」の違い・使い分け

同音異義語の違い・使い分け

「勘当」、「間道」、そして「感動」は、それぞれ全く異なる文脈で使われる言葉です。

勘当は家族や社会的な関係における用語で、親が子や師が弟子などとの関係を断ち切る行為を意味します。これは通常、不行跡や深刻な問題行動を理由に行われる法的、道徳的な処罰の形式です。

勘当はしばしば重大な個人的、家族内の危機を示し、社会的排除や関係の完全な断絶を含みます。

一方で、間道は文字通り「わき道」や「抜け道」を意味し、主要な道路や経路から外れた代替的な道を指します。この用語は主に地理的、物理的な文脈で使われ、より速く目的地に到達したり、隠れた美しい場所への秘密の入口として機能したりします。

間道はまた、茶道における外国産の縞織物の意味でも用いられ、こちらは文化的、芸術的な価値を持つものとして珍重されます。

感動は感情の状態や体験を指す言葉で、特定の事象や体験によって心が強く動かされることを表します。これは深い感銘や共感、強い情動の経験と関連しており、美術品、自然の風景、人間関係、物語など多岐にわたるものから引き起こされます。

感動は個人的な内面体験であり、人生において重要な記憶や感情の変化を引き起こすことがあります。

二字熟語の博士
これらの用語は、それぞれ異なる文脈で使われ、人間の関係、地理的な道、感情の経験をそれぞれ表しています。
助手ねこ
勘当は親子関係の断絶、間道は代替的な経路や文化的な価値、感動は深い感情的体験をそれぞれ象徴しているんやで。