【二字熟語】
中庸
【読み方】
ちゅうよう
【意味】
①かたよらず常にかわらないこと。不編不倚で過不及のないこと。中正の道。
②尋常の人。凡庸。
③アリストテレスの徳論の中心概念。過剰と不足との中間を思慮によって定めること。
道徳的に望ましい、バランスがとれているといったニュアンスを含みます。
「日和見」「中途半端」「どっちつかず」などの「かたよらず」ではないので注意しましょう。
【語源・由来】
「論語・擁也」「中庸の徳たる、其れ到れるかな。民鮮きこと久し」より。
四書の一つ。中国、戦国時代の思想書。1巻。子思の著と伝えられる。「礼記 (らいき) 」中の一編であったが、朱熹 (しゅき) が「中庸章句」を作ったことから、四書の一として儒教の根本書となった。天人合一の真理を説き、中庸の誠の域に達する修養法を述べる。
【類義語】
中位、適度、緩和、程よい、中立、中道、ニュートラル、頃合い
【対義語】
極端、極度、ラディカル
中庸(ちゅうよう)の使い方
健太くんのお兄さんは、今では部下がいるのよね。
そうなんだ。入社早々、新入社員同士でもめ事が起こって大変だったそうだよ。
お兄さんはどうしたの?
中庸な立場をとって、お互いの言い分をしっかり聞き取り解決したらしいよ。とても疲れ切っていたよ。
中庸(ちゅうよう)の例文
- 社内の危機に中庸な性格から、健太くんが選ばれた。
- 多くの意見を聞いて、中庸に落ち着くことが肝要だ。
- 健太くんは中庸な思想の持ち主だ。
- 中庸の道から外れないように生きていく。
- 炭水化物ぬきダイエットが流行っているが、バランスの崩れは病気の第一歩、中庸な食が大事だ。
「中庸の徳」とは?
孔子の言葉に「中庸の徳たる、其れ到れるかな。民鮮きこと久しどちらにもかたよらず」とあります。
この言葉は、「不足でもなく過分でもない丁度よいバランスで行動できるということは、人徳としては最上だが、そのような人を見ることは少なくなった」という意味です。
このことから、「中庸の徳」とは、かたよることなく、ちょうどよいバランスで行動することができるすぐれた人格のことを指すと言えるでしょう。