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「烏有」の意味と使い方や例文!「烏有に帰す」とは?(語源由来・類義語)

烏有の読み方・意味とは?(類義語)

意味

【二字熟語】
烏有

【読み方】
うゆう

【意味】
全くないこと。何も存在しないこと。

二字熟語の博士
「烏有」という言葉は、全く何もないこと、すっかり存在しないことを表しているんだよ。

これは「烏んぞ有らんや」から来ていて、直訳すると「どこにも存在しない」という意味になるんだ。

助手ねこ
ほんまに、なーんもないってことやな。つまり、「ホンマに、ほんっとうに何も無い」ってことを表現する言葉なんやな。

これは、「空っぽや、何もないで!」ってことを強調して教えてくれるんやろな。

【語源・由来】
「漢書」(司馬相如伝)から。
烏 (いずく) んぞ有らんや、の意。

【類義語】
空、無

烏有(うゆう)の解説

カンタン!解説
解説

「烏有」という言葉は、「いずくんぞ有らんや」という古い言葉から来ていて、直訳すると「どこにでも存在しない」って意味になるんだ。この言葉は、何も存在しない、全くないという状態を表すために使われる。

例えば、君が部屋を探しているとしよう。でもその部屋には何もない、家具も人も何もない。そんなとき、その部屋は「烏有」なんだ。つまり、何もない状態だってこと。

あと、君がもっと理解しやすいように、本当に具体的な例を挙げてみよう。たとえば、ある人が、「僕は空に巨大なお城を建てたんだ!」って言って、すごくうれしそうに見せてくるけど、実際には何もない。そんなときに、「烏有の談を為る」と言うんだ。つまり、「実在しないお城について語っている」という意味になるんだね。

だから、「烏有」という言葉は、存在しないもの、何もない状態を表すんだ。これは日本語の中でもとても詩的で美しい表現の一つだと思うよ。

烏有(うゆう)の使い方

ともこ
この写真の絵が昔、健太くんの家にあったの?
健太
そうなんだ。有名画家の絵をたくさん所有していたんだけど、関東大空襲で烏有に帰したんだ。
ともこ
それは、健太くんの家にとっても人類にとっても大きな損失ね。
健太
取り戻せるものなら取り戻したいよね。

烏有(うゆう)の例文

例文
  1. すべてが烏有に帰すのを眺めていることしかできなかった。
  2. この寺は、大火に見舞われ烏有に帰した後再建されたものなので、比較的新しいです。
  3. 戦争は回避され、江戸城が烏有に帰すことは無かった。
  4. 夢の中で良いアイディアを思いつくのだが、目が覚めると烏有に帰す。
  5. 地震による火災で、思い出も何もかも烏有に帰しました。

烏有の文学作品などの用例

  1. ・・・のない蒐集は大震災で烏有に帰した。天居が去年の夏、複製して暑中見・・・ 内田魯庵淡島椿岳

  2. ・・・し、神の意志に依って烏有に帰する。人意にて、左右することの、かな・・・ 太宰治春の盗賊

  3. ・・・が如きものは既に大抵烏有となったようである。根津権現の花も今はど・・・ 永井荷風上野

「烏有に帰す」とは?

烏有」を用いた表現の一つに「烏有に帰す」があります。

烏有に帰す」とは、「すっかりなくなる。特に、火災で焼けることにいう。」という意味です。

「水泡に帰す」と混同して、無駄になるの意で使われることが多いので注意しましょう。
二字熟語の博士
「烏有に帰す」という表現は、何かが完全になくなる、特に火事で焼けてしまうことを表す表現だよ。大切なものがすべて無くなってしまうことを想像してみてほしい。
助手ねこ
あー、それはつまり、「すべてがなくなっちゃう」ってことやな。特に火事になったら、大切なものが全部燃えちゃって、もう何も残らへん。完全にパーになっちゃうってことやね。この表現は、大切なものを失うことの恐ろしさを教えてくれてるな。

【例文】

  1. 応仁の乱によって京の禅院はことごとく烏有に帰した。
  2. 大震災で貴重な文化財が烏有に帰した。